先日、公園の前を通りかかったときに、道路に黒いものがありました。
良く見ると、カラスでした。
近づいても飛ばずに、地面に突っ伏していましたが、生きていました。
通勤中だったので、そのまま通りすぎましたが、自宅に忘れ物をしたので、取りに帰ったときに、通りかかったら、まだ、道路に突っ伏していました。しかも、もがいてホフク前進のようになったためか、ますます道路の中央に寄っていました。このままでは、車に轢かれて無残な姿になるのも時間の問題でしょう。
ゴミ袋をあさって散らかしたり、カラスはとかく嫌われがちです。
私も正直言って、カラスにあまり良い気持ちは抱いてはいません。
しかし、怪我をしているのか、もぞもぞと、道路に突っ伏してもがいている姿を見ると、何か、可愛そうに思ってしまいました。こいつもれっきとした命を持っています。
自転車を降りて、近づくと、鳴きますが、飛べないようでした。
さらに近づくと、頭の上から鳴き声がしました。近くの木の上に、一羽、また電線の上に一羽、カラスが見守っていて、私が近づくと警戒してか、鳴きます。
結構仲間を大事にしているんだなぁと、なお情が沸きました。
くちばしでつつかれるのも嫌ですし、もしかしたら、変なウイルスに感染しているのかもしれませんし、長い間直接掴むのは嫌でした。
そこで、辺りを見回すと、柵の板が壊れて取れていたので、それにカラスを載せることにしました。両手で優しく掴んで、板の上に乗せました。
生き物ですから、暖かく、何か、優しい気持ちになりました。
嫌われものだけど、かわいらしいものです。
公園の木の根元に座らせて(?)やりました。
特に強く鳴いたりはしませんでした。
手を洗って、その場を離れました。
冷たいようですが、後は、近所の猫に襲われても仕方がありません。そこまでは面倒見きれません。
まぁ、獣医師に電話して、
「・・・公園に怪我をしたらしいカラスが突っ伏して飛べずにもがいています。よろしかったら、世話してくだされば幸いです。」
なんて、匿名でお願いしても良かったのですが。
帰宅時に気になって、公園の近くを通って、カラスを座らせた木の根元を見ると、カラスはいませんでした。気になって、公園中をカラスを探しましたが、居ませんでした。
誰か心優しい人が介抱してくださったとか、または飛べるようになって、元気にしていると良いのですが。
P.S. 「情けは人のためならず」の意味は誤解されていることが多いです。元々の意味は、
「情けをかけると、自分に情けが返ってくる(自分にも良いことがある)」という意味ですが、「情けをかけて甘やかすと、その情けを掛けられた人のためにならない(厳しくした方が良い)」という意味に誤解されることが多いです。
このタイトルの「カラスのためならず」は、カラスから恩返しがあるかなぁ(あるわけない)というニュアンスの冗談を込めたものです。