2007年12月26日
新幹線に乗った。隣の人が降りるときに週間少年ジャンプを残していった。暇だったので、読んだ。
思わず、顔をしかめた。
化け物が女性のへそから卵を生み、卵がかえって女性の養分を吸い取って、口から出てくる。今さっきまで話していた女性は干からびてミイラのようになる。また他の漫画では、簡単に人が殺される。他の漫画では、大勢の人が化け物に触られるだけで消え去ってしまう。また他の漫画では、大きな化け物が人を食べてしまう。どれも、結構細かく描写されていて、リアルだ。
残虐なシーンばっかりだ。
私が少年のころの週間少年ジャンプは違った。ギャグ漫画が多かった。
少なくとも、人が簡単に死ぬような漫画はなかった。残虐なシーンを詳しく描写するようなことは無かった。
今の少年ジャンプにあるギャグ漫画はこち亀だけのようだった。
どうしてこんなに変わってしまったのだろう。
こんな残虐なシーンや、簡単に人が死ぬような漫画を読んでいたら、頭がおかしくなってしまうのではないだろうか。
息子にはこんな漫画は読ませたくないと思った。
しかし、家では、4歳になる息子にegobooのようなゲームをやらせている。敵の小さな可愛い猿のような化け物を倒したりする。息子が嬉しそうに言う。
「バカなやっちゃな。溶岩の上に自分から行って死んでしまっとんねん。」
まずいかもしれない。
その点、WIIとかは良いかもしれない。体を動かしたり、バランスを取ったり。そんなのの方がよっぽど良いのかも。
ただし、それも、おかしな話だ。WIIなんてなくても、バランスを取ったり、テニスをしたり、すれば良いでは無いか。
場所が無いのだろう。しかし、おかしな話だ。
日本ってやっぱり何かおかしい。
2008年12月14日日曜日
意味不明な話し合い
2007年11月23日
前期に頑張って研究していたのに、最近研究のペースが落ちている学生さんが居る。その学生さんは少し指導しただけで、自発的に研究を進めることが出来て、理解力、行動力に優れている。僕もかなり期待していた。
しかし、後期になってから、研究のペースがかなり遅い。たまりかねて、「そんなペースでやっていても良いと思っているんですか?」と聞いたら、「これから頑張るから大丈夫です。」と言った。少々腹が立った。大丈夫かどうかの判断は、自分だけで出来るものではなく、私と相談すべきだと思ったからである。まぁ、しかし、ぐっとこらえて、様子を見ることにした。しかし、やはり、その後も、研究のペースが遅く、報告にも来ない。たまりかねて、「一週間に一度は成果を報告してください。失敗して研究が進まない場合にはサポートできますから。」と伝えた。しかし、最近、前回の報告から二週間目になっても報告に来なかった。研究もあまり進んでいないようである。たまりかねて、今日、その学生さんに言った。ゆっくりと落ち着いて、座って、面と向かって。
「成果の報告の頻度が遅すぎます。こんな頻度では、卒業論文の単位は認められません。」
すると、その学生さんは言った。「分かっています。」
僕は続けた。「成果を出せば良いというものでもありません。それなら、成果が1カ月で十分に出たら、あとの11ヶ月は何もしないでも良いということではありませんから。むしろ、成果よりも、失敗しても、次に何をするのか考え、相談し、やってみるという繰り返しが重要です。失敗して、失敗したからといって、1 週間放置していたら、遅くなります。むしろ、失敗したらこまめに、頻繁に報告してください。僕の言ったことをやって失敗することも多いと思います。そんなとき、放置せずに、できるだけ早く、すぐにでも、せめて一日ごとに失敗や成果を報告してください。わかりましたか。」と言った。
すると、その学生さんは私に聞いた。「私の思うようにやれ(ば良い)と言うことですか?」
私にはその学生さんが何を言っているのか、理解出来なかった。なぜ、そういう理解につながるのか?
私は理解できないままに必死に考えて、答えた。「反対です。むしろ、頻繁に報告して相談してくださいということです。」さらに考えて、言った。「ただし、私に相談しても失敗するから、相談せずに自分でやりたいようにしたいというのなら、私もそういう覚悟で対応します。卒論に見合う成果を出せたと私が判断したら、それでも良いですけど。」
そして、言った。「問題は何だと思いますか?研究テーマが悪い?私の指導が悪い?」
その後は、研究の進め方について相談しました。
家に帰るときにやっと考える時間が持てたので、その学生さんがなぜ途中であんなことを聞いたのかを考えました。もしかして、「報告の頻度が遅すぎます」を私が言い違えて、「報告の頻度が多すぎます」とでも言ってしまったのだろうか?それとも、そのように聞き間違えられたとか。それじゃ、漫才だ。
家内に帰ってから相談してみた。すると、家内が一言。「あなたから見捨てられた(見放された)とでも勘違いしたんじゃないの?」なるほど。そう思ったのかもしれない。むしろ、まったく逆なのだが。
伝え方がまずかったのかもしれない。残念。
もしかして、「私の思うように」の「私」というのは、言った学生さん本人のことではなく、鈴木清のことだったのだろうか?誰が研究の進め方、つまり学生さん本人が行うべきことを決めるかということを議論したかったのでは無い。単純に、報告の頻度が少な過ぎる、端的に言えば、研究の進む速さが遅すぎるので、急いで行って、結果が出たらすぐに相談に来てくれということなのだ。研究の進め方は、今までどおり、学生さん本人と私、鈴木が相談して決めるのである。どうも、話をはぐらかされているような気がする。
前期に頑張って研究していたのに、最近研究のペースが落ちている学生さんが居る。その学生さんは少し指導しただけで、自発的に研究を進めることが出来て、理解力、行動力に優れている。僕もかなり期待していた。
しかし、後期になってから、研究のペースがかなり遅い。たまりかねて、「そんなペースでやっていても良いと思っているんですか?」と聞いたら、「これから頑張るから大丈夫です。」と言った。少々腹が立った。大丈夫かどうかの判断は、自分だけで出来るものではなく、私と相談すべきだと思ったからである。まぁ、しかし、ぐっとこらえて、様子を見ることにした。しかし、やはり、その後も、研究のペースが遅く、報告にも来ない。たまりかねて、「一週間に一度は成果を報告してください。失敗して研究が進まない場合にはサポートできますから。」と伝えた。しかし、最近、前回の報告から二週間目になっても報告に来なかった。研究もあまり進んでいないようである。たまりかねて、今日、その学生さんに言った。ゆっくりと落ち着いて、座って、面と向かって。
「成果の報告の頻度が遅すぎます。こんな頻度では、卒業論文の単位は認められません。」
すると、その学生さんは言った。「分かっています。」
僕は続けた。「成果を出せば良いというものでもありません。それなら、成果が1カ月で十分に出たら、あとの11ヶ月は何もしないでも良いということではありませんから。むしろ、成果よりも、失敗しても、次に何をするのか考え、相談し、やってみるという繰り返しが重要です。失敗して、失敗したからといって、1 週間放置していたら、遅くなります。むしろ、失敗したらこまめに、頻繁に報告してください。僕の言ったことをやって失敗することも多いと思います。そんなとき、放置せずに、できるだけ早く、すぐにでも、せめて一日ごとに失敗や成果を報告してください。わかりましたか。」と言った。
すると、その学生さんは私に聞いた。「私の思うようにやれ(ば良い)と言うことですか?」
私にはその学生さんが何を言っているのか、理解出来なかった。なぜ、そういう理解につながるのか?
私は理解できないままに必死に考えて、答えた。「反対です。むしろ、頻繁に報告して相談してくださいということです。」さらに考えて、言った。「ただし、私に相談しても失敗するから、相談せずに自分でやりたいようにしたいというのなら、私もそういう覚悟で対応します。卒論に見合う成果を出せたと私が判断したら、それでも良いですけど。」
そして、言った。「問題は何だと思いますか?研究テーマが悪い?私の指導が悪い?」
その後は、研究の進め方について相談しました。
家に帰るときにやっと考える時間が持てたので、その学生さんがなぜ途中であんなことを聞いたのかを考えました。もしかして、「報告の頻度が遅すぎます」を私が言い違えて、「報告の頻度が多すぎます」とでも言ってしまったのだろうか?それとも、そのように聞き間違えられたとか。それじゃ、漫才だ。
家内に帰ってから相談してみた。すると、家内が一言。「あなたから見捨てられた(見放された)とでも勘違いしたんじゃないの?」なるほど。そう思ったのかもしれない。むしろ、まったく逆なのだが。
伝え方がまずかったのかもしれない。残念。
もしかして、「私の思うように」の「私」というのは、言った学生さん本人のことではなく、鈴木清のことだったのだろうか?誰が研究の進め方、つまり学生さん本人が行うべきことを決めるかということを議論したかったのでは無い。単純に、報告の頻度が少な過ぎる、端的に言えば、研究の進む速さが遅すぎるので、急いで行って、結果が出たらすぐに相談に来てくれということなのだ。研究の進め方は、今までどおり、学生さん本人と私、鈴木が相談して決めるのである。どうも、話をはぐらかされているような気がする。
人はいずれ死ぬ
2007年11月9日
人はいずれ死ぬ。
私は死ぬのが恐い。何も考えられない時間が来るのがとてつもなく恐い。
可能なら永遠に生きていたい。今が幸せだからなのだろう。
死ぬのを恐れて、泣いてばかりいて、そのまま死んでしまったら、なんて情けない、みじめな人生なのだろうか。そう思って、幸せに活き活き(生き生き?)と生きようとしている。結構、幸せに生きていると思っている。神さまに感謝。
いったいどのようなことをすれば、私は死ぬときに、満足して死ねるのだろうか。大金持ちになって豪勢な生活をすることだろうか?みんなから偉い偉いと崇拝されることだろうか?多くの女性と性交をすることだろうか?研究してノーベル賞を受賞することだろうか?今まで知られていなかった新事実を発見することだろうか?根本原理を解明することだろうか?家族と幸せに楽しく過ごすことだろうか?困っている人を多く助けることだろうか?世界を危機から救うことだろうか?
私は三國志ファンでは無いが、「蒼天航路」というマンガを一時期好きになって、読み耽ったことがある。
印象的だったのは、劉備玄徳が、関羽と張飛と義兄弟になるときの話だ。(史実に基づいていない、フィクションかもしれません。)
何故だか忘れたが、関羽と張飛から悪人と疑われた劉備は、問い詰められる。関羽「お前は何をしたい?金銀財宝を得ることか?名声を得ることか?権力を得ることか?多くの美女と寝ることか?」
劉備は答える。「ああ、それらのことはみな、好きだ。」
関羽は怒って、張飛に命じる。「張飛、青龍刀を持てい!」関羽は劉備の額を床に付けさせ、劉備の頭の上に青龍刀を振りかざす。劉備は続ける。「しかし、もっと嬉しいことがある。」
関羽は恐ろしい顔で問いただす。「何だ?!それは?!」
劉備が答える。「喜ぶ民の顔を見ることだ。」
途端に、関羽は青龍刀を投げ出して、後ろにひっくりかえり、どすんと座り込む。劉備は起き上がって、希望に満ちた顔で言う。「関羽、私という杯の中身にならんか。もしもお前が器を邪魔だと感じたなら、そのときは杯を砕けば良い。」
私の器、そしてその中身は何なのだろうか。
人はいずれ死ぬ。
私は死ぬのが恐い。何も考えられない時間が来るのがとてつもなく恐い。
可能なら永遠に生きていたい。今が幸せだからなのだろう。
死ぬのを恐れて、泣いてばかりいて、そのまま死んでしまったら、なんて情けない、みじめな人生なのだろうか。そう思って、幸せに活き活き(生き生き?)と生きようとしている。結構、幸せに生きていると思っている。神さまに感謝。
いったいどのようなことをすれば、私は死ぬときに、満足して死ねるのだろうか。大金持ちになって豪勢な生活をすることだろうか?みんなから偉い偉いと崇拝されることだろうか?多くの女性と性交をすることだろうか?研究してノーベル賞を受賞することだろうか?今まで知られていなかった新事実を発見することだろうか?根本原理を解明することだろうか?家族と幸せに楽しく過ごすことだろうか?困っている人を多く助けることだろうか?世界を危機から救うことだろうか?
私は三國志ファンでは無いが、「蒼天航路」というマンガを一時期好きになって、読み耽ったことがある。
印象的だったのは、劉備玄徳が、関羽と張飛と義兄弟になるときの話だ。(史実に基づいていない、フィクションかもしれません。)
何故だか忘れたが、関羽と張飛から悪人と疑われた劉備は、問い詰められる。関羽「お前は何をしたい?金銀財宝を得ることか?名声を得ることか?権力を得ることか?多くの美女と寝ることか?」
劉備は答える。「ああ、それらのことはみな、好きだ。」
関羽は怒って、張飛に命じる。「張飛、青龍刀を持てい!」関羽は劉備の額を床に付けさせ、劉備の頭の上に青龍刀を振りかざす。劉備は続ける。「しかし、もっと嬉しいことがある。」
関羽は恐ろしい顔で問いただす。「何だ?!それは?!」
劉備が答える。「喜ぶ民の顔を見ることだ。」
途端に、関羽は青龍刀を投げ出して、後ろにひっくりかえり、どすんと座り込む。劉備は起き上がって、希望に満ちた顔で言う。「関羽、私という杯の中身にならんか。もしもお前が器を邪魔だと感じたなら、そのときは杯を砕けば良い。」
私の器、そしてその中身は何なのだろうか。
モンスターペアレントとモンスターすちゅーでんと、そして。。。
2007年11月9日
個人で出来ることが社会に及ぼす影響が大きくなっている。HPの普及により、個人が全世界にメッセージを発することも可能だ。自動車で時速100km以上で高速道路を疾走することも出来る。こうなると、自信が大きくなりすぎることがある。加えて、日本は加害者に対する罰が甘い。自信が大きくなって勘違いした人間は、他人を必要以上に攻撃したり、阻害したりする。特に、回りからちやほやされる人間、偉くもないのに偉いとして扱われる人間は、傲慢になってしまう。傲慢で、自分勝手な意見を主張し、他人を攻撃する親、特に小中高などの教師を攻撃する親は、モンスターペアレントと呼ばれている。 http://sankei.jp.msn.com/life/education/071107/edc0711070337000-n1.htm そんな親が育てるのだから、その子供も、傲慢で、自分勝手な意見を主張し、他人を攻撃する人間になる。学生さんにも、そういう人が確実に増えてきている。おっと、「回りからちやほやされる人間、偉くもないのに偉いとして扱われる人間」って、私みたいな大学の教員もそうではないか?私もこのような掲示板に好き放題の罵詈雑言を書いているような(^^;) 私も反省しなければ。しまいに、モンスターペアレント兼モンスターティーチャーになりそうだ。
個人で出来ることが社会に及ぼす影響が大きくなっている。HPの普及により、個人が全世界にメッセージを発することも可能だ。自動車で時速100km以上で高速道路を疾走することも出来る。こうなると、自信が大きくなりすぎることがある。加えて、日本は加害者に対する罰が甘い。自信が大きくなって勘違いした人間は、他人を必要以上に攻撃したり、阻害したりする。特に、回りからちやほやされる人間、偉くもないのに偉いとして扱われる人間は、傲慢になってしまう。傲慢で、自分勝手な意見を主張し、他人を攻撃する親、特に小中高などの教師を攻撃する親は、モンスターペアレントと呼ばれている。 http://sankei.jp.msn.com/life/education/071107/edc0711070337000-n1.htm そんな親が育てるのだから、その子供も、傲慢で、自分勝手な意見を主張し、他人を攻撃する人間になる。学生さんにも、そういう人が確実に増えてきている。おっと、「回りからちやほやされる人間、偉くもないのに偉いとして扱われる人間」って、私みたいな大学の教員もそうではないか?私もこのような掲示板に好き放題の罵詈雑言を書いているような(^^;) 私も反省しなければ。しまいに、モンスターペアレント兼モンスターティーチャーになりそうだ。
Dracon's Law:『悪神の群像』&『愚神礼賛』
2007年10月28日
『悪神の群像』&『愚神礼賛』
"Malicious Gods" & "God helps rich persons"
書き始め2003年12月7日
更新日2005年5月4日
最終更新日2007年10月13日
<<自分に都合の悪い人間を殺しても良いと人間に説く「神」などは神ではない。 何故、宗教を崇拝するイスラエル人(キリスト教)とパレスチナ人(ユダヤ教)は 聖地を取り合って殺し合いをするのか。大国のエゴによる勝手な約束が一因ではあるものの、 宗教と憎しみの連鎖が人を「崇高な」殺し合いに駆り立てることに対する怒りを記したい。 宗教による教育(洗脳)の恐ろしさ、悲惨さを訴えたい。>>
カイ=ハーン「「神」が許しても俺は許さない。」
ヤーン「キリストは泣いている」。
ある学者は、教団が教条に執着しすぎて人々の不幸を招いているのではないかと考え、 それを教団に対して宣告した。彼は教団から迫害を受け、皆から無視され、 その学者の家族は生活ができなくなり、山奥で自給自足の生活を営んでいた。 学者に賛同する者達も集まり、学者と一緒に山奥を開墾して生活共同体を形成しようとしていた。 しかし、社会からのけ者にされていた彼らはろくな生活はできなかった。
正義を探すことに疲れ、挫折していたホルムズは教団の信者になって 敬虔な毎日を過ごしていた。あるとき、ホルムズは山奥で生活する学者達に出会う。 ホルムズは彼らと仲良くなる。
あるとき、学者の娘が病気になったが、薬を入手することもできなかった。 学者の息子は、信仰深い病気の妹を救うために神への布教金を奪う。 しかし、彼は教団の幹部らに捕らえられる。大神官は宗教裁判を開き、 教条を破ったとして少年を「神の名により」処刑した。 処刑に参列した無数の信者たちは「やはり、貧乏で教育を受けていないからだ」と口々に言う。 少年を救おうとして救えなかったホルムズは、その大衆を前に、怒りのたけをぶちまける。
「貴方みたいな人がいるから、貴方みたいな人がいるから、人々が幸せになれないんだ。 人々がお互いに殺し合いをするんだ。こんな「神」など・・・神ではない。」
ホルムズを殺すように大神官が人々に命じる。人々はホルムズを捕らえようとするが、 上から見下ろすような威圧的な神々の群像をホルムズの手から放たれた光線が木っ端微塵に破壊する。
驚く神官だが、叫び声をあげる。
「皆のもの、見たであろう!こいつは、悪魔の使いだ!人間の仕業ではない!こいつをひっとらえて、神様のために、処刑するのだ!」
しかし、人々は、違う方向、神々の群像の方に走り出していた。神官は金切り声を上げる。「何をしておる!このものをひっとらえ・・」後ろを向いた神官は目を見張らせた。神々の群像の中には、人々から徴収した金銀財宝がぎっしりと詰まっていたのだ。人々は金銀財宝を手に取っていた。「これで、パンが買える!」神官は走っていき、人々がお金を取らないように、金銀財宝の山の前に立ちはだかる。「神の宝に手をつけるな!無礼者が!神の宝を取ろうとは!貴様ら、罰があたるぞ!」それでも取るのをやめようとしない人々。罵り、怒り狂う神官の後ろで、山のように積もった財宝が崩れる。人々を止めるのに必死な神官達「止めんか!神の財宝に手をつけるな!これは、私の財宝だ!止めろ!」神官たちが必死になって気がつかないうちに崩れ落ちた雪崩のような金銀が神官たちと、金を取っていた人々を一気に呑み込み、人々たちは金銀財宝に埋まってしまう。
キールズが苦笑いする。「こいつら・・・馬鹿の集まりだ。」キールズはホルムズに呼びかける。「行こう。ホルムズ。こんな奴らといたら、馬鹿が移るぜ。」
キールズとホルムズは、学者達とともに、自給自足の生活をし始める。国や村を追われた者たちを受入れ、ホルムズ達と多くの人が生活をともにすることになっていく。
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2003-2007 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
『悪神の群像』&『愚神礼賛』
"Malicious Gods" & "God helps rich persons"
書き始め2003年12月7日
更新日2005年5月4日
最終更新日2007年10月13日
<<自分に都合の悪い人間を殺しても良いと人間に説く「神」などは神ではない。 何故、宗教を崇拝するイスラエル人(キリスト教)とパレスチナ人(ユダヤ教)は 聖地を取り合って殺し合いをするのか。大国のエゴによる勝手な約束が一因ではあるものの、 宗教と憎しみの連鎖が人を「崇高な」殺し合いに駆り立てることに対する怒りを記したい。 宗教による教育(洗脳)の恐ろしさ、悲惨さを訴えたい。>>
カイ=ハーン「「神」が許しても俺は許さない。」
ヤーン「キリストは泣いている」。
ある学者は、教団が教条に執着しすぎて人々の不幸を招いているのではないかと考え、 それを教団に対して宣告した。彼は教団から迫害を受け、皆から無視され、 その学者の家族は生活ができなくなり、山奥で自給自足の生活を営んでいた。 学者に賛同する者達も集まり、学者と一緒に山奥を開墾して生活共同体を形成しようとしていた。 しかし、社会からのけ者にされていた彼らはろくな生活はできなかった。
正義を探すことに疲れ、挫折していたホルムズは教団の信者になって 敬虔な毎日を過ごしていた。あるとき、ホルムズは山奥で生活する学者達に出会う。 ホルムズは彼らと仲良くなる。
あるとき、学者の娘が病気になったが、薬を入手することもできなかった。 学者の息子は、信仰深い病気の妹を救うために神への布教金を奪う。 しかし、彼は教団の幹部らに捕らえられる。大神官は宗教裁判を開き、 教条を破ったとして少年を「神の名により」処刑した。 処刑に参列した無数の信者たちは「やはり、貧乏で教育を受けていないからだ」と口々に言う。 少年を救おうとして救えなかったホルムズは、その大衆を前に、怒りのたけをぶちまける。
「貴方みたいな人がいるから、貴方みたいな人がいるから、人々が幸せになれないんだ。 人々がお互いに殺し合いをするんだ。こんな「神」など・・・神ではない。」
ホルムズを殺すように大神官が人々に命じる。人々はホルムズを捕らえようとするが、 上から見下ろすような威圧的な神々の群像をホルムズの手から放たれた光線が木っ端微塵に破壊する。
驚く神官だが、叫び声をあげる。
「皆のもの、見たであろう!こいつは、悪魔の使いだ!人間の仕業ではない!こいつをひっとらえて、神様のために、処刑するのだ!」
しかし、人々は、違う方向、神々の群像の方に走り出していた。神官は金切り声を上げる。「何をしておる!このものをひっとらえ・・」後ろを向いた神官は目を見張らせた。神々の群像の中には、人々から徴収した金銀財宝がぎっしりと詰まっていたのだ。人々は金銀財宝を手に取っていた。「これで、パンが買える!」神官は走っていき、人々がお金を取らないように、金銀財宝の山の前に立ちはだかる。「神の宝に手をつけるな!無礼者が!神の宝を取ろうとは!貴様ら、罰があたるぞ!」それでも取るのをやめようとしない人々。罵り、怒り狂う神官の後ろで、山のように積もった財宝が崩れる。人々を止めるのに必死な神官達「止めんか!神の財宝に手をつけるな!これは、私の財宝だ!止めろ!」神官たちが必死になって気がつかないうちに崩れ落ちた雪崩のような金銀が神官たちと、金を取っていた人々を一気に呑み込み、人々たちは金銀財宝に埋まってしまう。
キールズが苦笑いする。「こいつら・・・馬鹿の集まりだ。」キールズはホルムズに呼びかける。「行こう。ホルムズ。こんな奴らといたら、馬鹿が移るぜ。」
キールズとホルムズは、学者達とともに、自給自足の生活をし始める。国や村を追われた者たちを受入れ、ホルムズ達と多くの人が生活をともにすることになっていく。
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Dracon's Law: 雰囲気
2007年10月28日
楽しく
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月28日
ドラコンの法律のストーリーやテーマは、正直言って、暗い。しかし、登場人物、 特にホルムズとキールズには決して暗くなって欲しくない。彼らの明るさで、 ストーリーの中の暗さが消し飛ばされてしまうぐらいに、読者が快活な思いに浸れる ようにしたい。生きていることの幸せを、どんなに苦しく辛いときにも感じ、 自分と周りの人を活発にできるホルムズと、どんなに苦しく辛いときにもひょうきんで、 皮肉たっぷりの冗談でやり過ごせるキールズにしたい。
ホルムズの名の由来
一匹の蟻はか弱い。多くの蟻がいて、一匹の蟻の命は軽んじられる傾向にある。 しかし、蟻は強いと私は思う。踏まれても、靴と地面の隙間に居て生き延びる。 雑草のように強い生命力を持つ。そして、蟻達は、けなげに働く。 そんな蟻を見下してはならないと思う。蟻の出す蟻酸は、ホルムアルデヒドという 物質を酸化すると合成できる。その「ホルム」と付けた。 「ズ」は英語の複数形の「S」であり、「ホルムズ」は「多数の蟻達」の意味である。 ホルムズはばらばらにされても、一つ一つの細胞が結合し、 元の力強い一人の人間に戻る。また、上層部からは軽蔑されることの多い、大衆の意味もこめている。 つまり、支配体制における一人一人の下層部の人間という意味もこめられている。
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2003-2006 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
楽しく
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月28日
ドラコンの法律のストーリーやテーマは、正直言って、暗い。しかし、登場人物、 特にホルムズとキールズには決して暗くなって欲しくない。彼らの明るさで、 ストーリーの中の暗さが消し飛ばされてしまうぐらいに、読者が快活な思いに浸れる ようにしたい。生きていることの幸せを、どんなに苦しく辛いときにも感じ、 自分と周りの人を活発にできるホルムズと、どんなに苦しく辛いときにもひょうきんで、 皮肉たっぷりの冗談でやり過ごせるキールズにしたい。
ホルムズの名の由来
一匹の蟻はか弱い。多くの蟻がいて、一匹の蟻の命は軽んじられる傾向にある。 しかし、蟻は強いと私は思う。踏まれても、靴と地面の隙間に居て生き延びる。 雑草のように強い生命力を持つ。そして、蟻達は、けなげに働く。 そんな蟻を見下してはならないと思う。蟻の出す蟻酸は、ホルムアルデヒドという 物質を酸化すると合成できる。その「ホルム」と付けた。 「ズ」は英語の複数形の「S」であり、「ホルムズ」は「多数の蟻達」の意味である。 ホルムズはばらばらにされても、一つ一つの細胞が結合し、 元の力強い一人の人間に戻る。また、上層部からは軽蔑されることの多い、大衆の意味もこめている。 つまり、支配体制における一人一人の下層部の人間という意味もこめられている。
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Dracon's Law: 『超能力者達の悪夢』&『超能力者達の逆襲』
2007年10月28日
『超能力者達の悪夢』&『超能力者達の逆襲』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月19日
超能力者達は、裏社会で政府中枢とヤクザ社会の中で、権力者達の庇護のもと、 権力者たちに利用されていた。テレパス(読心能力者)は政府転覆計画など、 権力者達に反逆する意思のある者を察知していた。強迫観念を与えることのできる超能力者は、 そうした反逆者達や極悪犯罪者の洗脳を行っていた。そうした超能力者は一般の社会から隔離され、 公には現れず、特殊部隊として訓練を受けていた。そのような組織の長ダグラス=キュローは、 野心から、権力者を洗脳して自分たち超能力者が全世界を支配する社会を形成しようと企てる。 しかし、そのことを、権力者を愛する超能力者が密告し、ダグラス=キュローらは殺害される。 超能力者を普段から嫌っていた人間のグループが、これを機に超能力者を皆殺しにすることを 権力者に提案し、受け入れられる。利用されたマスコミによって、超能力者が悪魔のようであり、 人間たちを虐殺したのだと報道され、人間たちは超能力者に対する嫌悪感を募らせていく。 超能力者狩りが激化し、多くの超能力者が殺されていく。ついにダグラス=キュローの一家 は人間たちによって捕らえられ、人間たちの前で公開処刑されることになる。 カル=キュローの母テシア=キュローは人間たちの前で陵辱の限りを尽くされ、 カル=キュローは、その母の姿を笑いながら見ている人間たちへの復習を誓う。 物質転送能力を持つ超能力者リリザ=エペルナは、処刑される前に、 ダグラスの長男カル=キュローと自分の娘リリザ=マリアを転送し、逃げ延びさせる。 カル=キュローとリリザ=マリアは、逃げ延びたわずかな超能力者達を集め、 超能力者が安心して生きられる社会を形成すべく、人間と戦いを始める。
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2003-2006 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
『超能力者達の悪夢』&『超能力者達の逆襲』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月19日
超能力者達は、裏社会で政府中枢とヤクザ社会の中で、権力者達の庇護のもと、 権力者たちに利用されていた。テレパス(読心能力者)は政府転覆計画など、 権力者達に反逆する意思のある者を察知していた。強迫観念を与えることのできる超能力者は、 そうした反逆者達や極悪犯罪者の洗脳を行っていた。そうした超能力者は一般の社会から隔離され、 公には現れず、特殊部隊として訓練を受けていた。そのような組織の長ダグラス=キュローは、 野心から、権力者を洗脳して自分たち超能力者が全世界を支配する社会を形成しようと企てる。 しかし、そのことを、権力者を愛する超能力者が密告し、ダグラス=キュローらは殺害される。 超能力者を普段から嫌っていた人間のグループが、これを機に超能力者を皆殺しにすることを 権力者に提案し、受け入れられる。利用されたマスコミによって、超能力者が悪魔のようであり、 人間たちを虐殺したのだと報道され、人間たちは超能力者に対する嫌悪感を募らせていく。 超能力者狩りが激化し、多くの超能力者が殺されていく。ついにダグラス=キュローの一家 は人間たちによって捕らえられ、人間たちの前で公開処刑されることになる。 カル=キュローの母テシア=キュローは人間たちの前で陵辱の限りを尽くされ、 カル=キュローは、その母の姿を笑いながら見ている人間たちへの復習を誓う。 物質転送能力を持つ超能力者リリザ=エペルナは、処刑される前に、 ダグラスの長男カル=キュローと自分の娘リリザ=マリアを転送し、逃げ延びさせる。 カル=キュローとリリザ=マリアは、逃げ延びたわずかな超能力者達を集め、 超能力者が安心して生きられる社会を形成すべく、人間と戦いを始める。
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Dracon's Law:『科学の人格』
2007年10月14日
『科学の人格』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月19日
<<高校時代の後輩に聞いた話だが、医学部の教授の中には、人間の体をいじるのに好奇心が強く、 ともすると人体実験をしたいと思っているような人間がいるらしい。そのような人間に嫌悪感を覚える。 人の幸せを考えずに、自分の勝手な好奇心から、「人類の発達とさらなる繁栄のために」 などと奇麗事のスローガンだけを並べて、命を粗末にするような科学を批判したい。>>
カル=キュローによるバイオテクニカの創設と、生産される命の悲劇。ホルムズ、キールズの誕生と バイオテクニカ研究所の破壊まで。
カル=キュローは、絶対安定的な統一された画一的な秩序ある社会を実現するために、 ある目的を達成することのみに喜びを感じ、ただひたすらその目的を遂行するためだけに 生きるような”目的用人造人間”を開発することを望んだ。彼がそのために設立した研究者 の一段はバイオテクニカと呼ばれていた。そのような研究者たちもまた、科学薬品と カル=キュローの洗脳により、それを実現することのみを喜びと感じさされるようにされた 犠牲者であった。彼らは喜んで凶気の研究を行っていた。すなわち、自分の精子から生まれた 赤ん坊に対する人体実験である。彼らは赤ん坊を何人も「生産」し、驚異的な速さで成長させ、 検査を行っていた。そして、目的を達成できなかった赤ん坊を「処理」=殺害していた。 彼らは、赤ん坊に番号をつけて管理していた。
バイオテクニカの研究者の一人、ノア=ルシーダは、今日も多くの赤ん坊の能力をチェックしていた。 赤ん坊が機械によって捻じ曲げられ、悲鳴をあげる。間接の柔軟性の試験がなされているのだ。 赤ん坊の絶叫とともに、赤ん坊の体が折れて、力なく横たわる。「こいつも不良品。こいつもか。 また、処理しなくちゃな。」ノア=ルシーダの目に一人の赤ん坊が目にとまった。 「ホルムズ号か・・何をしているんだ?」ノア=ルシーダが近づくと、 その赤ん坊はノア=ルシーダに手を伸ばし、にっこりと微笑んだ。 「おかしいな。微笑むはずはないのだが・・不良品なんだろうか?」 赤ん坊達は、親に愛情を抱かせないように、いつも憎憎しい顔をしているように化学薬品 を飲まされていたのだ。しかし、ホルムズは彼らの言う「不良品」だったようだ。 ホルムズは無邪気に微笑む。「パ・・パ・・」ノア=ルシーダは脳に電気が走ったように感じた。 「な・・・なんだ、この感じは・・く・・苦しい・・。」カル=キュローの洗脳が、 ノア=ルシーダの頭によぎった愛情をかき消そうとしてノア=ルシーダに苦痛を与える。 ノア=ルシーダはその晩、悪夢にうなされる。ホルムズが不良品であることを知った同僚が ホルムズに注射を打って処理しようとするのだ。ノア=ルシーダは絶叫して飛び起きた。 「やめろ!やめてくれ!」体中から脂汗を書いたノア=ルシーダは決心する。 ホルムズを何とかして救おうと。ノア=ルシーダは激痛を感じながらも、 カル=キュローの洗脳に打ち勝って、正気を取り戻していた。 彼は、極限まで知能を高めた生命体開発計画の試作生命体キールズ号に相談することにした。 キールズ号は”不死の薬“をホルムズに飲ませることを提案する。 しかし、ノア=ルシーダは彼の同僚にホルムズを逃そうとしていることを知られ、 命を狙われることになる。彼はホルムズに不死の薬を飲ませた直後に同僚に見つかってしまう。 「お前も不良品か。カル様のために働くことを忘れたのか!科学の発展のために 貢献する気はないのか!」同僚の銃弾がノア=ルシーダの腕を貫く。 「愛してしまったから、不良品か・・ははは。・・確かに不良品かもしれない。 お前から見ればな。・・だが、不良品で何が悪い!不良品だって生き物だ!不良品だって、 生きているんだ!生きているものに不良品など、不良な者などいやしない!」
「君は、カル様が築こうとされている幸せな社会を乱すかもしれない危険分子だ。」
さらなる銃弾がノア=ルシーダの胸を貫通する。血反吐を吐きながら、ノア=ルシーダは ホルムズを抱きしめた。
「お父さんはいっぱい悪いことをしすぎた。罪を償わなければならないんだ。 多くのお前の兄弟たちのところに行かなければならないんだ。本当はお前をもっともっと 抱きしめてやりたかったが・・。でも、お父さんはいつもお前を愛している。 いつもお前のそばにいるよ・・・。行け、ホルムズ!!!世界は広い!こんな研究所の 檻の中だけではないんだ。お前はこの研究所で苦しんでばかりいたが、世界には 苦しみばかりではない!楽しいことが山ほどあるんだ!お父さんの分まで、生きてくれ! そして、誰もお父さんのような罪を犯さないようにしておくれ・・。お前はお前自身の正義 を貫いて、どんな人間よりも強く高く自由に生きるんだ。」
同僚が侮蔑する。「個々の正義などを個々に持ち出すから争いが絶えないんだよ。 秩序がなくなるんだよ。」
ノア=ルシーダがホルムズを掲げ上げる。「カル=キュローの“秩序ある社会”など、ぶち壊せ!!」
同僚の銃弾の嵐がノア=ルシーダの脳を吹き飛ばし、ホルムズもばらばらになる。 同僚はにやりとしながら、つぶやく。「ぶち壊されるべきなのは“不良品”のほうだ。」
処理をしようと近づいた同僚は、驚嘆に目を見開いた。ホルムズのばらばらになった体が、 むくむくと動き出し、転がって、一つにくっついていく。やがて、肉隗たちはくっついて一つになり、 蠢いて変形していく。そして、元通りの姿に戻った。赤ん坊は周りを探し、 ノア=ルシーダの頭の破片に気づくと、そこまではいはいをしていく。
「パパ・・」無邪気に抱きついたホルムズはノア=ルシーダの頭が動かないのを不思議そうに見ている。 ノア=ルシーダが死んだのがわからないようだ。怯えながら、同僚がホルムズを射撃するが、 今度はホルムズに銃弾が当たっても、皮膚がくぼむだけで、無邪気に笑っている。 同僚は叫ぶ「バ・・化け物!」そこへ、騒ぎのどさくさに紛れて脱出したキールズが現れる。 「どっちが化け物だ?お前の方が化け物だろうが。自分の子供を何百人も殺しやがって。 まぁ、カルの洗脳のせいだからお前は悪くはないけどな。」同僚はキールズを射撃するが、 キールズはすかさずホルムズの後ろに隠れる。
「ホルムズ・・向こうのおじさん抱っこしてくれるってさ!抱っこしてもらえるぞ!抱きつけ!」 ホルムズは同僚にだっこしてもらおうと飛び上がるが、彼の力は尋常ではなかった。 彼の細胞は射撃による破壊のため、弾丸よりも硬くなり、 銃弾の速度よりも速く動けるように成長していたのだ。 飛び掛られた同僚は壁に頭を大きく打ちつけ、脳震盪を起こして気絶してしまった。 笑った後で不思議そうにしているホルムズに、キールズが言う。 「ホルムズ,お外に行こう。お外は楽しいぞ!」
ホルムズは外に出ようとして、鋼鉄のドアに頭を打ちつけ、泣き出す。 キールズが頭をさすってやり、面白い顔をすると、ホルムズは無邪気に笑う。 次にドアに頭を打ち付けるとドアがへこむ。 彼の頭の細胞が鋼鉄を突き破れるほどに進化したのだ。 立ち上がって歩くこともできないのに、はいはいで鋼鉄の壁を突き破るホルムズ。
ホルムズが無邪気に笑いながら、研究所員たちの銃撃をものともせず、 研究所を破壊しながら外へと重機関車のようにはいはいで進んでいく。 キールズも変形して小さくなり、ホルムズの首のところにへばりついて研究所を脱出する。
「なんちゅう赤ん坊だ。これは末が楽しみだ。」キールズが痛快に笑う。 「ひゃあっほー!!行くぞ!ホルムズ!世界が待っている!世界は俺たちの遊び場だ!」
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『科学の人格』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月19日
<<高校時代の後輩に聞いた話だが、医学部の教授の中には、人間の体をいじるのに好奇心が強く、 ともすると人体実験をしたいと思っているような人間がいるらしい。そのような人間に嫌悪感を覚える。 人の幸せを考えずに、自分の勝手な好奇心から、「人類の発達とさらなる繁栄のために」 などと奇麗事のスローガンだけを並べて、命を粗末にするような科学を批判したい。>>
カル=キュローによるバイオテクニカの創設と、生産される命の悲劇。ホルムズ、キールズの誕生と バイオテクニカ研究所の破壊まで。
カル=キュローは、絶対安定的な統一された画一的な秩序ある社会を実現するために、 ある目的を達成することのみに喜びを感じ、ただひたすらその目的を遂行するためだけに 生きるような”目的用人造人間”を開発することを望んだ。彼がそのために設立した研究者 の一段はバイオテクニカと呼ばれていた。そのような研究者たちもまた、科学薬品と カル=キュローの洗脳により、それを実現することのみを喜びと感じさされるようにされた 犠牲者であった。彼らは喜んで凶気の研究を行っていた。すなわち、自分の精子から生まれた 赤ん坊に対する人体実験である。彼らは赤ん坊を何人も「生産」し、驚異的な速さで成長させ、 検査を行っていた。そして、目的を達成できなかった赤ん坊を「処理」=殺害していた。 彼らは、赤ん坊に番号をつけて管理していた。
バイオテクニカの研究者の一人、ノア=ルシーダは、今日も多くの赤ん坊の能力をチェックしていた。 赤ん坊が機械によって捻じ曲げられ、悲鳴をあげる。間接の柔軟性の試験がなされているのだ。 赤ん坊の絶叫とともに、赤ん坊の体が折れて、力なく横たわる。「こいつも不良品。こいつもか。 また、処理しなくちゃな。」ノア=ルシーダの目に一人の赤ん坊が目にとまった。 「ホルムズ号か・・何をしているんだ?」ノア=ルシーダが近づくと、 その赤ん坊はノア=ルシーダに手を伸ばし、にっこりと微笑んだ。 「おかしいな。微笑むはずはないのだが・・不良品なんだろうか?」 赤ん坊達は、親に愛情を抱かせないように、いつも憎憎しい顔をしているように化学薬品 を飲まされていたのだ。しかし、ホルムズは彼らの言う「不良品」だったようだ。 ホルムズは無邪気に微笑む。「パ・・パ・・」ノア=ルシーダは脳に電気が走ったように感じた。 「な・・・なんだ、この感じは・・く・・苦しい・・。」カル=キュローの洗脳が、 ノア=ルシーダの頭によぎった愛情をかき消そうとしてノア=ルシーダに苦痛を与える。 ノア=ルシーダはその晩、悪夢にうなされる。ホルムズが不良品であることを知った同僚が ホルムズに注射を打って処理しようとするのだ。ノア=ルシーダは絶叫して飛び起きた。 「やめろ!やめてくれ!」体中から脂汗を書いたノア=ルシーダは決心する。 ホルムズを何とかして救おうと。ノア=ルシーダは激痛を感じながらも、 カル=キュローの洗脳に打ち勝って、正気を取り戻していた。 彼は、極限まで知能を高めた生命体開発計画の試作生命体キールズ号に相談することにした。 キールズ号は”不死の薬“をホルムズに飲ませることを提案する。 しかし、ノア=ルシーダは彼の同僚にホルムズを逃そうとしていることを知られ、 命を狙われることになる。彼はホルムズに不死の薬を飲ませた直後に同僚に見つかってしまう。 「お前も不良品か。カル様のために働くことを忘れたのか!科学の発展のために 貢献する気はないのか!」同僚の銃弾がノア=ルシーダの腕を貫く。 「愛してしまったから、不良品か・・ははは。・・確かに不良品かもしれない。 お前から見ればな。・・だが、不良品で何が悪い!不良品だって生き物だ!不良品だって、 生きているんだ!生きているものに不良品など、不良な者などいやしない!」
「君は、カル様が築こうとされている幸せな社会を乱すかもしれない危険分子だ。」
さらなる銃弾がノア=ルシーダの胸を貫通する。血反吐を吐きながら、ノア=ルシーダは ホルムズを抱きしめた。
「お父さんはいっぱい悪いことをしすぎた。罪を償わなければならないんだ。 多くのお前の兄弟たちのところに行かなければならないんだ。本当はお前をもっともっと 抱きしめてやりたかったが・・。でも、お父さんはいつもお前を愛している。 いつもお前のそばにいるよ・・・。行け、ホルムズ!!!世界は広い!こんな研究所の 檻の中だけではないんだ。お前はこの研究所で苦しんでばかりいたが、世界には 苦しみばかりではない!楽しいことが山ほどあるんだ!お父さんの分まで、生きてくれ! そして、誰もお父さんのような罪を犯さないようにしておくれ・・。お前はお前自身の正義 を貫いて、どんな人間よりも強く高く自由に生きるんだ。」
同僚が侮蔑する。「個々の正義などを個々に持ち出すから争いが絶えないんだよ。 秩序がなくなるんだよ。」
ノア=ルシーダがホルムズを掲げ上げる。「カル=キュローの“秩序ある社会”など、ぶち壊せ!!」
同僚の銃弾の嵐がノア=ルシーダの脳を吹き飛ばし、ホルムズもばらばらになる。 同僚はにやりとしながら、つぶやく。「ぶち壊されるべきなのは“不良品”のほうだ。」
処理をしようと近づいた同僚は、驚嘆に目を見開いた。ホルムズのばらばらになった体が、 むくむくと動き出し、転がって、一つにくっついていく。やがて、肉隗たちはくっついて一つになり、 蠢いて変形していく。そして、元通りの姿に戻った。赤ん坊は周りを探し、 ノア=ルシーダの頭の破片に気づくと、そこまではいはいをしていく。
「パパ・・」無邪気に抱きついたホルムズはノア=ルシーダの頭が動かないのを不思議そうに見ている。 ノア=ルシーダが死んだのがわからないようだ。怯えながら、同僚がホルムズを射撃するが、 今度はホルムズに銃弾が当たっても、皮膚がくぼむだけで、無邪気に笑っている。 同僚は叫ぶ「バ・・化け物!」そこへ、騒ぎのどさくさに紛れて脱出したキールズが現れる。 「どっちが化け物だ?お前の方が化け物だろうが。自分の子供を何百人も殺しやがって。 まぁ、カルの洗脳のせいだからお前は悪くはないけどな。」同僚はキールズを射撃するが、 キールズはすかさずホルムズの後ろに隠れる。
「ホルムズ・・向こうのおじさん抱っこしてくれるってさ!抱っこしてもらえるぞ!抱きつけ!」 ホルムズは同僚にだっこしてもらおうと飛び上がるが、彼の力は尋常ではなかった。 彼の細胞は射撃による破壊のため、弾丸よりも硬くなり、 銃弾の速度よりも速く動けるように成長していたのだ。 飛び掛られた同僚は壁に頭を大きく打ちつけ、脳震盪を起こして気絶してしまった。 笑った後で不思議そうにしているホルムズに、キールズが言う。 「ホルムズ,お外に行こう。お外は楽しいぞ!」
ホルムズは外に出ようとして、鋼鉄のドアに頭を打ちつけ、泣き出す。 キールズが頭をさすってやり、面白い顔をすると、ホルムズは無邪気に笑う。 次にドアに頭を打ち付けるとドアがへこむ。 彼の頭の細胞が鋼鉄を突き破れるほどに進化したのだ。 立ち上がって歩くこともできないのに、はいはいで鋼鉄の壁を突き破るホルムズ。
ホルムズが無邪気に笑いながら、研究所員たちの銃撃をものともせず、 研究所を破壊しながら外へと重機関車のようにはいはいで進んでいく。 キールズも変形して小さくなり、ホルムズの首のところにへばりついて研究所を脱出する。
「なんちゅう赤ん坊だ。これは末が楽しみだ。」キールズが痛快に笑う。 「ひゃあっほー!!行くぞ!ホルムズ!世界が待っている!世界は俺たちの遊び場だ!」
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2003-2006 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
『ドラコンの法律』
2007年10月14日
『ドラコンの法律』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2006年5月20日
無髪の美僧ドラコン。彼女はその第三の目で何を見るのか。
「苦しすぎる。救わねばならない・・・」
ドラコン達カル=キュローの手下は、惑星アルテマの超能力者たちの潜伏村に来ていた。 超能力者たちは、ドラコン達と戦闘しようとするが、最長老アルム=アクラはそれを制止し、 融合して二人になるように指示する。
「争っても苦しみしか生まぬ。それにお前たちの適う相手ではない。私に任せておけ。 良いか、何があっても、お前たちはアルムの目を守るのだ。」
ドラコンの部下たちは、超能力者によって作られた数々の障壁を破壊し、ついに最長老に対峙する。
ドラコン「カル=キュロー様と手を組んでいただけませんか。すばらしい世界を作りたいのです。」
融合した超能力者が叫ぶ「お前らのやっていることは、全てお見通しだ! お前らなぞに協力などできるか!」
アルムが制止する。ドラコンは続ける。
「ご協力を願えませんか。あなたは、世界の全てを知る能力を与える“アルムの目” をお持ちだとか。その能力があれば、カル様と組めば、まさに最強。絶対的な統治体制 が完成するでしょう。」
アルム「私は、命たちの苦しみが嫌いなのです。 カル=キュローさんとはどうも肌が合わないようです。残念ながら、ご協力することはできません。 お引取りください。」
ドラコンは部下にアルムの仲間が融合した超能力者を押さえ込ませる。 彼らは抵抗しようとするが、アルムはそれを制止する。
ドラコン「協力しないというのなら、 あなたのお仲間は残念ながら・・死んでしまうことになりそうなのですが。それでも良いのですか?」
ドラコンはその美しい顔でいやらしく笑う。しかし、ドラコンの脅迫にアルムは動じない。
「その者を殺しても、私はアルムの目は渡しません。私たちは、あなたたちが来るときから、 死を覚悟していたのです。アルムの目を欲しいのなら、私を殺してから、 自分でお探しなさい。ただし、その者たちを殺すと、アルムの目は探せなくなりますよ。 嘘だと思うのなら、殺して御覧なさい。」
ドラコンは笑う。
「お前が持っているというのか。なら、殺してやる。」
ドラコンは剣を振りかざし、 アルムに近づく。アルムはにっこりと微笑む。
「ドラコンさん、 本当に良い世界を作ってください。私にはわかるのです・・あなたならできるはずです。 期待していますよ。」
ドラコンはにやりと微笑みアルムの顔に剣をつきつける。
「脅しではないのだぞ。言い残すことはそれだけか。」
アルムは言う。 「私はいつもあなたとともに居ます。私を殺したことを気に病まなくても良いのですよ。」
ドラコンがあざ笑う。「何を言っているのだ?死が怖くて、狂ったか。化け物め。」
ドラコンの振りかざした剣がアルムの胸に突き刺さる。
アルムが息絶える。
融合した超能力者達が泣き叫ぶ。
ドラコン「さあ、アルムの目の場所を教えろ。 そうでなければ、お前たちも・・」
言いかけたドラコンが驚きと喜びで目を見開く。
アルムの体が縮んでいき、そして、ひとつの目玉になって、空中に浮いて、光り輝いている。
ドラコン「すばらしい!!!アルムの目だ!カル様にお渡しせねば!」
その瞬間、アルムの目がものすごい勢いでドラコンの額に衝突する。あまりの勢いに、 弾き飛ばされるドラコン。
融合した超能力者が喜びの声を上げる。「ざまあみろ! お前などがアルムの目に認めてもらえるはずがないのだ!」
起き上がったドラコンの額にアルムの目がめり込んで張り付いている。超能力者が悲鳴をあげる。
「そんな・・・!何故、何故!アルムの目が認めたのだ?あいつが、継承者だと言うのか!?」
ドラコンは喜びにほくそえむ。「私を選んだだと?・・・そうか、私に王になれと言うのか? はははっは。はは!私は選ばれた人間なのか!・・」
笑うドラコンの声がだんだんと悲鳴に変わっていく。 「な。。なんだ?これは?・・い・・痛い・・いてて・・く・・苦しい・・ああ!。 助けて・・・助けて・・ひいい・・・ああああああ!・・・ぎゃあああああ!!!!!!!」
ドラコンの仲間が駆け寄る。「ドラコン様!」
ドラコンは失神してしまっている。 融合した超能力者たちは、ドラコンの仲間たちを超能力で押さえ込む。うろたえるドラコンの仲間。
「お前たちは確かにすごい。しかし、融合したわれ等の力には及ばないのだ。」
苦しみ、もだえるドラコンを必死に看病するアルムの仲間の超能力者たち。 「世界中の命たちの苦痛がドラコンに流れ込んできているのだ。 こんな奴が耐えられるとは思えないが・・」
「しかし、アルムの目が選んだのだ。間違いはないはずだ。」
数週間後、ドラコンは意識を取り戻す。
「苦しい・・お願い・・・殺して・・私を殺して・・・」
超能力者たちは言う。
「生きるのです。あなたはアルムの目に選ばれたのです。あなたが最長老様なのです。」
かつてのドラコンの仲間も、今はアルムの仲間と仲良く過ごしていた。 苦しむドラコンは、数ヵ月後には起き上がることができるようになっていた。
「苦しすぎる・・世界を救わねばならない。・・・」ドラコンはつぶやく。
ドラコンが人々の苦しみを軽くするために、ラッツやジータと各地を流浪する中で、 ドラコンはノウシェに 出会う。ノウシェはひどくドラコンを尊敬し、そして、ドラコンに法律を定めるように薦める。
ドラコン「私はそんな立派なことをしている訳ではありません。ただ、皆の苦しみを少しでも軽くしたい のです。皆の幸せを少しでも、多くしたいのです。」
ノウシェ「そんな貴方だからこそ、素晴らしい法律を書けると思うのです。どうか、法律を書いてください。」
ドラコンは考えておくとだけ告げる。
次の日、ドラコンはノウシェの元を離れて、他の村へと問題を解決しに旅立とうとし、ノウシェに別れを 告げる。
「法律は書いていただけましたか?」と期待に胸を弾ませるノウシェに、ドラコンはにっこりと笑って 答える。「書けましたよ。」
ドラコンが去った後、受け取った法律の書類を開けたノウシェは唖然とする。
そこには、ただ、こう書いてあった。
”法律 第一条 愛しなさい。 ”
”附則 この法律は、貴方がこれを見たときから施行されます。”
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2003-2007 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
『ドラコンの法律』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2006年5月20日
無髪の美僧ドラコン。彼女はその第三の目で何を見るのか。
「苦しすぎる。救わねばならない・・・」
ドラコン達カル=キュローの手下は、惑星アルテマの超能力者たちの潜伏村に来ていた。 超能力者たちは、ドラコン達と戦闘しようとするが、最長老アルム=アクラはそれを制止し、 融合して二人になるように指示する。
「争っても苦しみしか生まぬ。それにお前たちの適う相手ではない。私に任せておけ。 良いか、何があっても、お前たちはアルムの目を守るのだ。」
ドラコンの部下たちは、超能力者によって作られた数々の障壁を破壊し、ついに最長老に対峙する。
ドラコン「カル=キュロー様と手を組んでいただけませんか。すばらしい世界を作りたいのです。」
融合した超能力者が叫ぶ「お前らのやっていることは、全てお見通しだ! お前らなぞに協力などできるか!」
アルムが制止する。ドラコンは続ける。
「ご協力を願えませんか。あなたは、世界の全てを知る能力を与える“アルムの目” をお持ちだとか。その能力があれば、カル様と組めば、まさに最強。絶対的な統治体制 が完成するでしょう。」
アルム「私は、命たちの苦しみが嫌いなのです。 カル=キュローさんとはどうも肌が合わないようです。残念ながら、ご協力することはできません。 お引取りください。」
ドラコンは部下にアルムの仲間が融合した超能力者を押さえ込ませる。 彼らは抵抗しようとするが、アルムはそれを制止する。
ドラコン「協力しないというのなら、 あなたのお仲間は残念ながら・・死んでしまうことになりそうなのですが。それでも良いのですか?」
ドラコンはその美しい顔でいやらしく笑う。しかし、ドラコンの脅迫にアルムは動じない。
「その者を殺しても、私はアルムの目は渡しません。私たちは、あなたたちが来るときから、 死を覚悟していたのです。アルムの目を欲しいのなら、私を殺してから、 自分でお探しなさい。ただし、その者たちを殺すと、アルムの目は探せなくなりますよ。 嘘だと思うのなら、殺して御覧なさい。」
ドラコンは笑う。
「お前が持っているというのか。なら、殺してやる。」
ドラコンは剣を振りかざし、 アルムに近づく。アルムはにっこりと微笑む。
「ドラコンさん、 本当に良い世界を作ってください。私にはわかるのです・・あなたならできるはずです。 期待していますよ。」
ドラコンはにやりと微笑みアルムの顔に剣をつきつける。
「脅しではないのだぞ。言い残すことはそれだけか。」
アルムは言う。 「私はいつもあなたとともに居ます。私を殺したことを気に病まなくても良いのですよ。」
ドラコンがあざ笑う。「何を言っているのだ?死が怖くて、狂ったか。化け物め。」
ドラコンの振りかざした剣がアルムの胸に突き刺さる。
アルムが息絶える。
融合した超能力者達が泣き叫ぶ。
ドラコン「さあ、アルムの目の場所を教えろ。 そうでなければ、お前たちも・・」
言いかけたドラコンが驚きと喜びで目を見開く。
アルムの体が縮んでいき、そして、ひとつの目玉になって、空中に浮いて、光り輝いている。
ドラコン「すばらしい!!!アルムの目だ!カル様にお渡しせねば!」
その瞬間、アルムの目がものすごい勢いでドラコンの額に衝突する。あまりの勢いに、 弾き飛ばされるドラコン。
融合した超能力者が喜びの声を上げる。「ざまあみろ! お前などがアルムの目に認めてもらえるはずがないのだ!」
起き上がったドラコンの額にアルムの目がめり込んで張り付いている。超能力者が悲鳴をあげる。
「そんな・・・!何故、何故!アルムの目が認めたのだ?あいつが、継承者だと言うのか!?」
ドラコンは喜びにほくそえむ。「私を選んだだと?・・・そうか、私に王になれと言うのか? はははっは。はは!私は選ばれた人間なのか!・・」
笑うドラコンの声がだんだんと悲鳴に変わっていく。 「な。。なんだ?これは?・・い・・痛い・・いてて・・く・・苦しい・・ああ!。 助けて・・・助けて・・ひいい・・・ああああああ!・・・ぎゃあああああ!!!!!!!」
ドラコンの仲間が駆け寄る。「ドラコン様!」
ドラコンは失神してしまっている。 融合した超能力者たちは、ドラコンの仲間たちを超能力で押さえ込む。うろたえるドラコンの仲間。
「お前たちは確かにすごい。しかし、融合したわれ等の力には及ばないのだ。」
苦しみ、もだえるドラコンを必死に看病するアルムの仲間の超能力者たち。 「世界中の命たちの苦痛がドラコンに流れ込んできているのだ。 こんな奴が耐えられるとは思えないが・・」
「しかし、アルムの目が選んだのだ。間違いはないはずだ。」
数週間後、ドラコンは意識を取り戻す。
「苦しい・・お願い・・・殺して・・私を殺して・・・」
超能力者たちは言う。
「生きるのです。あなたはアルムの目に選ばれたのです。あなたが最長老様なのです。」
かつてのドラコンの仲間も、今はアルムの仲間と仲良く過ごしていた。 苦しむドラコンは、数ヵ月後には起き上がることができるようになっていた。
「苦しすぎる・・世界を救わねばならない。・・・」ドラコンはつぶやく。
ドラコンが人々の苦しみを軽くするために、ラッツやジータと各地を流浪する中で、 ドラコンはノウシェに 出会う。ノウシェはひどくドラコンを尊敬し、そして、ドラコンに法律を定めるように薦める。
ドラコン「私はそんな立派なことをしている訳ではありません。ただ、皆の苦しみを少しでも軽くしたい のです。皆の幸せを少しでも、多くしたいのです。」
ノウシェ「そんな貴方だからこそ、素晴らしい法律を書けると思うのです。どうか、法律を書いてください。」
ドラコンは考えておくとだけ告げる。
次の日、ドラコンはノウシェの元を離れて、他の村へと問題を解決しに旅立とうとし、ノウシェに別れを 告げる。
「法律は書いていただけましたか?」と期待に胸を弾ませるノウシェに、ドラコンはにっこりと笑って 答える。「書けましたよ。」
ドラコンが去った後、受け取った法律の書類を開けたノウシェは唖然とする。
そこには、ただ、こう書いてあった。
”法律 第一条 愛しなさい。 ”
”附則 この法律は、貴方がこれを見たときから施行されます。”
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2003-2007 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
Dracon's Law:『星達の賛歌』
2007年10月14日
『星達の賛歌』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月28日
<<独裁者ヒットラーは、敗戦濃厚になってきたとき、裏切り者を恐れるあまり、
精神的に不安定な状況、疑心暗鬼に陥り、ますます独裁的になり、人を信用せず、
不信に思われる部下を次々と殺し始めた。人を信用できないというのはもっとも
哀れなことの一つである。>>
カル=キュローは、人間が超能力者に敵対するのを恐れ、超能力者が人間を支配する
体制を築き上げようとする。信頼できる自分の家族のうち、洗脳能力が強い息子たち
を各地域のリーダーとし、彼らがその地域の軍隊・警察・治安維持部隊を洗脳する。
そして、命令に服従する人造人間や、機械人間を開発し、軍隊・警察・治安維持部隊の高官
に据えた。また、社会がスムーズに動くように、社会に必要な仕事をすることに生きがい
を感じるような人造人間の開発を試みた。しかし、人造人間の開発や人間を洗脳すること、
そして人間を支配することに、彼の愛するリリザ=マリアは激しく反対する。
カル=キュロー「愚かな人間たちは秩序を覆す行動を取りかねない!そんな危険性を排除し、
人間たちにも絶対的な安心を与えるのだ!何がいけないのだ!」
マリア「貴方は、他の人に自分の行動を決められて嬉しいですか?嫌でしょう!
嫌なことをさせられている人間ばかりの社会が長続きするわけがありません!」
カル=キュロー「だから、社会の秩序維持のための仕事を喜びと感じるような人間が必要なんだ!」
マリア「そんな命の冒涜を許せるわけがありません!」
カル=キュローは自分に逆らうマリアを洗脳し、自分に従順に従う僕にしてしまう。
そのような行動に、息子たちは反感を強める。息子たちも信用できなくなったカル=キュロー
は、息子たちも洗脳してしまう。カル=キュロー「どいつもこいつも逆らいやがって!
俺の言うとおりにしていれば、完全な世界ができるのに!全部愚か者だ!」
カル=キュローは自ら「神」を名乗り、洗脳された人間と、命令服従人間、アンドロイドという、
自分に絶対に従うものたちだけで上層部を築いていく。
またカル=キュローを愛するように洗脳された愛人たちと快楽に溺れて行く。
キールズはカル=キュローに皮肉を言う。
「お前は宇宙一哀れだな。カル。お前を慕ってくれるのは、お前が洗脳した奴らだけだ。
つまり、お前が作った脳みそだけしかお前を慕ってくれるものはいない。
お前が洗脳能力を失ったら、誰もお前の味方にならないだろう。
自らの判断でお前を慕うものは誰もいないのだ。ははっははは。」
侮蔑して笑い飛ばすキールズ。
カル=キュローは大いに怒る。
「自分の判断で私に従うものもいるのだ。私に逆らうものは全て抹殺される。
誰も自分の命は惜しい。」
キールズ「恐怖政治か。馬鹿だねぇ。つまり、嫌なことをみんながしぶしぶやっている社会だろ。
そんな社会には反感が募るに決まっているだろ。そんな反感を抑えるために余計、
無駄な労力がかかるだろ。そんな社会が上手く回るわけがない。」
カル「強いものに従うのは自然の摂理だ。」
キールズ「自然が一番すばらしいわけではない。やはりお前はその程度の考えしかできない愚か者だ。」
カル「愚か者が私のことを“愚か”と言うな!」
キールズ「せっかく助言してやっているのに、それも分からないとは、よっぽど“愚か”
なんだろうな。“愚か者”のカルさんは。ミドルネームを“愚か者”に変えた方が良いんじゃないか。
どうですか、カル=“愚か者”=キュローさん?」
セロ=ゴーギュとオズマは、カル=キュローに戦いを挑むが、セロは戦闘不能に陥る。
オズマにカルは言う。「お前だけなら助けてやっても良いぞ。ただし、セロを殺したらな。
もともとセロは、お前の一族を殺した敵だろ。隠さなくても良い。お前の心の中に、
セロへの憎しみがあるのはわかっているぞ。」「お前が、爺ちゃん(セロのこと)
を無理やりに操ったんだろうが!」
オズマは怒り、カルに攻撃を加えようとするが、逆に攻撃されてしまう。
セロにもカルは言う。「セロ。お前でも良いのだぞ。昔のように、俺の下で、
安心できる日々を送らないか?お前も良い戦士だった。俺に逆らいさえしなければ。」
セロはうなづく。
カル「さすが、セロだ。お前は利口だ。それでは、オズマを殺してしまえ。」
セロはオズマに近づく。オズマは信じられないといった面持ちでセロを見つめる。
「嘘だろ。爺ちゃん」
セロはオズマからエネルギーを吸い取り始める。エネルギーを吸い取られ、力を失い、
倒れこむオズマ。
カルはセロに近づく。「よくやった。セロ。」
カルが油断してセロの直ぐ傍まで近づいたそのとき、セロがオズマから吸い取ったパワーを
一丸に集め、カルを攻撃する。オズマはセロを信じ、自分のパワーを技術的に優れたセロに渡し、
最後の攻撃をすることをわかっていたのだ。
「人を恐怖で操れると思ったお前の負けだ!!」
同時にセロとオズマが叫ぶ。吹き飛ばされ、瓦礫の中に埋もれるカル=キュロー。
力を全て放出し、倒れこみ、抱き合う二人。
そこへ、高らかにカルの笑い声が響く。瓦礫がふっとび、中から、マリアのバリアーで
守られたカルが姿を現す。
「俺がお前を信じるとでも思ったのか?セロ?俺が愚か者に頼るとでも思ったのか?
俺を裏切るような奴を俺が信じるとでも思ったのか?俺は神だ。人を操り、絶対的な
秩序を完成させる。愚かな人間どもは、俺に従い、完全な社会に住めば良いのだ。」
リリザはカルに囚われる。そんなリリザを助けるため、無謀な戦いで命を落としていく人々。
そんな彼らを見ながら、リリザは涙を流す。
「もういい。俺のことはもういいから、死なないでくれ。」
カルは笑う。
「愚か者のために涙を流す必要など無い。お前は選ばれた超能力者なのだ。神の娘なのだ。
反社会分子・・愚かな人間がどんどん減って良いではないか。さすが神の娘だ。
反社会分子を探し出す手間が省ける。どんどん反社会分子を呼び出し、
神の聖戦に貢献してくれているのだから。」
そんな折、カインはアンドロイド機械大軍をカシナートの剣でばっさばっさと
壊滅させていく。驚くカル=キュロー。
さらに、ホルムズとキールズとヤシュヌがカル=キュローの浮遊城に侵入し、
カル=キュローとマリアと超能力者の一団に対峙する。
キールズ「やっと会えたな。カル=“愚かもの”=キュロー。あ、そうだ。ついでに
“宇宙一哀れな男”だったっけ?」
退屈そうにあくびをするヤシュヌ「ほる・・こいつか?お前の言っていた。
強い奴ってのは?ぜんぜん強そうでないが・・お前嘘ついたんじゃないだろうな!」
第三の不死人ゴーリヤとの戦いで押されぎみのホルムズとヤシュヌ。
ヤシュヌ「埒があかねぇ。パワーが必要だ。全宇宙からパワーを・・。
キールズ!なんか良い案はねぇのか。」
キールズは仲間の超能力者の力で、他の人間から力をすこしづつ分けてもらうことを提案する。
(鳥山明氏のDRAGONBALLの”元気玉”のパクリです。鳥山明様、済みません。)
星達のホルムズ達を信じる人々から少しずつ力が集まり、ホルムズに集結していく。
しかし、エネルギーの塊は遅すぎて、とてもゴーリヤには当たらない。
ヤシュヌはゴーリヤを押さえつけ、ホルムズにエネルギー弾をゴーリヤに食らわすように命令する。
嫌がるホルムズだが、懸命の叫びに、ホルムズはエネルギー弾をゴーリヤに放つ。
砕け散るゴーリヤとヤシュヌ。ヤシュヌはばらばらに砕け散り、徐々に集まろうとするが、
すごく時間がかかる。そのうちに、信じられないことに、ゴーリヤは既に再生しかけてしまっていた。
カル=キュローがたか笑う。「ゴーリヤは、お前らなんかとは比べ物にならないくらい破壊され、
痛めつけられたのだ。再生の能力はお前らより遥かに優れているのだ。」
そのとき、ドラコンが現れる。ゴーリヤの激しい苦しみを感じ、
彼の今までの人生と記憶を読み取り、ドラコンは怒り狂う。
「カル=キュロー。。。あなただけは許さない。こんな命を生産して良いのか!」
近寄るドラコンはゴーリヤの破片を抱きかかえ、治癒を始める。ドラコンの信じられない行動
に唖然として言葉を失うホルムズとキールズ。再生したゴーリヤは、ドラコンに撫でられ、
子供のようにしがみついている。カル=キュローはゴーリヤに苦痛を与え、
ドラコンを殺すように命じるが、ドラコンはそんなゴーリヤの苦痛を弱める。ゴーリヤは怒り、
カル=キュローに攻撃をしかけようとする。その途端、カル=キュローは、
ゴーリヤに強烈な苦痛を与え、ゴーリヤは失神してしまう。
ゴーリヤを蹴り転がすカル=キュロー。
「全く、役立たずが・・どれだけお前に金をかけたのか、分かっているのか・・」
ドラコンがカル=キュローを睨みつける。
「ゴーリヤは・・・貴方に失神させられることを知っていたのです。それでも、私のために、
立ち向かってくれたのです。貴方は自分のことを神だと言うが、貴方は誰からも愛されていない!
貴方なんかが神なわけがないでしょう!もう、人間の支配などお止めなさい!」
いよいよ残るはカル=キュローただ一人。ぼろぼろになったホルムズとドラコンが近寄る。
ホルムズが怒って叫ぶ。「みんなの痛みを思い知れ!」
攻撃しようとするホルムズをドラコンが制止しようと叫ぶ「おやめなさい!ホルムズ!」
しかし、ホルムズの攻撃は速過ぎて止まらず、ホルムズの攻撃を受けて、カル=キュローの腕が吹き飛ぶ。
勝ち誇るキールズを横目に、ドラコンが首を横に振る。
ホルムズの顔が驚きに変わる。「そんな・・・どうしたら良いんだ・・?」
カル=キュローは笑う。「残念だったな。神がそんな間抜けに見えるのか?ほら、攻撃しないのか?
私をどんどん強くしてくれよ。そのためにお前を泳がせておいたのだから。
お前は私を強くするために、生まれてきたのだぞ。そのために強くなってくれていたんだろ?
さぁ、お前の役目を果たすときが来たのだぞ。ホルムズ号。どんどん攻撃してくれよ。」
カル=キュローの切り離された腕が跳ね上がり、もとどおりにくっつく。
カル=キュローもまた、“不死の薬”を飲んでいたのだ。
「愚か者が神に勝てると思うのか?全て計算済みだったのだよ。お前も私の計画を完成させる
道具だったのだ。愚か者め。」
キールズがつぶやく。「何故だ?!“不死の薬”を飲んだものは、一切の記憶を失うのでは
なかったのか?!!」
カル=キュローが笑う。
「私は神なのだ。お前らとは脳の出来が違うのだ。私こそ選ばれた人間なのだ。」
ドラムが凍結されていた研究者を生き返らせる。研究者は言う。
「なんてことをしてしまったのだ・・カル=キュローに・・」
カル=キュローは、自分の体型・DNAと全く同じ人造人間を作り出し、
不死の薬を飲ませて記憶を失わせると同時に、その脳と神経を、自分の脳と神経と、
そっくりそのまま入れ替えさせたのだ。
無力感にさいなまれるホルムズにもカル=キュローは精神的苦痛を与える。
ホルムズは失神してしまう。
勝ち誇るカル=キュロー。
「私に逆らえるものなど、この宇宙には存在しないのだ。わからないのか、ドラコン。
私は神なのだ。神から選ばれた人間なのだ。神は私を選び、私にこの能力を与えたのだ。
そして、さらに、私は自らの力で永遠の命も手に入れているのだ。
さあ、私にひれ伏すが良い。お前も以前は私に十分に仕えてくれた。私に服従しろ。
そうすれば今までのことは全て水に流してお前を許してやる。
お前も神に選ばれた人間なのだ。私とともに、すばらしい世界を築こうではないか。」
「以前の私ならそうしていたでしょう。しかし、アルムの目を身に付けてわかったのです。
あなたは世界に苦痛しか生まない。世界が悲しんでいます。もうおやめなさい。
あなたは神でも選ばれた人間でもない。悪魔に魂を売って、世界に苦しみをばらまいている
悪魔の手先にすぎないのです。」「お前、少しは利口だと思っていたが、
今の状況が分かっているのか?従うか死ぬかしかないだろ?それとも私に勝てるとでも言うのか?」
ドラコンは微笑む。
「勝てるわけがないでしょう。それに、勝ちたいなどとは思ったことはありません。
・・確かに、ここに来るまで、私は貴方を憎んでいました。殺してやろうと心の底から
思ったこともありました。しかし、ここに来れて、本当に良かった。
貴方がどれだけ悲しい思いをしたのか、貴方がどんな思いでこのような愚行を行っているのか、
それが分かったのですから。貴方がこのようなことをするのも、許せます。貴方が誰も信じずに、
貴方の安心できる世界を作りたいのは分かります。でも、貴方を安心させられるのは、
貴方を愛する人だけです。だから、貴方を愛したいのです。」
カル=キュローは黙って聞いている。ドラコンは続ける。
「そして、もう止めて欲しいのです。苦しみと脅迫は人に裏切りしか生みません。
むしろ、愛せばよいのです。愛して欲しいのです。」
「愛してやるさ。私の僕となって、働くのならな。私は神なのだ。神に従うことに何故ためらう?!」
「人間は、盲目に従っても喜びを得ることはできません。たとえ失敗しようとも自分の頭で判断して、
行動したいのです。ホルムズ達を御覧なさい。彼は貴方が言う愚かな人間かもしれません。
でも、自分に誇りを持って、喜びを勝ち得て生きているのです。
貴方に従っていたセロは幸福でしたか?違うでしょう!」
「私の言うとおりにすれば、成功も名誉も与えてやる。何が気に食わぬ?」
「そのために、どれだけの犠牲を生むつもりですか?」
「優れた人間のために、犠牲は必要なのだ!お前も他の動物を食らって生きているのだろう!」
「犠牲を増やそうと思って生きてはいません。」
「私に従えば、秩序ある世界が実現され、戦争もなくなり、結局は犠牲が少なくなるのだ!
お前は神だとあがめられているのかもしれないが、結局は私に逆らい、戦争を起こし、
多くの犠牲者を生んでいるではないか。お前こそ、悪魔の手先ではないのか?」
「私は犠牲と不満と苦しみの多い今のような平和を望んでいるのではありません。
そういう意味では、確かに私は争いをもたらすために行動してきたのかもしれませんね。
しかし、争いは必要なことなのです。ホルムズやヤシュヌを見て、私はそう思うのです。」
「人の命を軽んじているのは、お前の方ではないのか?」
「私は命を奪うような争いを肯定しているのではありません。命を輝かせるための争いを
肯定しているのです。」
「命を輝かせる??訳がわからぬ!」
キールズが激痛の中で笑う。
「神の癖に、愚かな奴だ。俺でもわかるのによ。」
カル=キュローがキールズへ激痛をより強く与える。キールズが激痛に身をよじる。
カル=キュローはドラコンを睨みつける。
「屁理屈ばかりをこねる女だ。もう良い。時間の無駄だ。お前はもう少し利口だと思ったのだが
・・仕方ない。お前に選ばせてやろう。私に従い、世界を秩序に導くのか、それとも、
私に逆らい、強制的に従わされるのか?」
「待ってください。私の言葉を聞いてください。」
「時間の無駄だと分かったのだ。10秒以内に選べ。さもなくば、処刑する。」
「今のあなたとは肌が合わないようなのです。今のあなたに従うことはできません。」
「なら、従ってもらうまでだ。お前はアルムの目をもっているはずだ。
お前も十分に私の道具になる資格があるのだ。」
ドラコンは微笑みながら、近づく。
「やって御覧なさい。」
カル=キュローがいやらしく笑う。
「馬鹿な女だ」
ドラコンにもカル=キュローは精神的苦痛を与えるが、いくら与えても、
ドラコンはものともせずにカル=キュローに近づいていく。
うろたえるカル=キュロー。
「何故だ?何故?!私の力が通用しないというのか?!」
キールズが笑う。「ドラコンは不感症なんだぜ。おまけにマゾヒストなのさ!!」
カル=キュロー「何?!」
キールズ「冗談だよ。愚か者!」
ドラコン「うろたえなくとも良いのです。感じていますよ。確かにあなたの能力はすごい。
ただ、このような苦しみは、世界のみんなの苦しみからすれば、微塵にも値しません。」
初めてカル=キュローが慌てふためく。
「そんな・・私の計画とは違う。・・神の世界を構築するために、お前が従うことに決まっているのだ。
お前は私に屈せねばならないのだ。」
カル=キュローが全力でドラコンに苦痛を与えるが、ドラコンは平気な顔で微笑みながら、
カル=キュローに近づいていく。
遠く離れた惑星アルテマで、かつてアルム=アクラを守っていた超能力者たちが
この様子をのぞいていた。
「最長老アクラ様は、未来を予知する能力を持っておられた。あのとき、何故、
みすみす殺されたのかわからなかったが、こうなることがわかっておられたのだ。
そして、この後のことも。」
カル=キュローの側まで来たドラコン。
怯えるカル=キュロー。
「何をする気だ!」
ドラコン「あなたは罪を犯しすぎたのです。。。カル=キュロー、さあ、私と行きましょう。」
ドラコンは微笑む。
怯えたカル=キュローは混乱して取り乱す。
「『私と一緒に“いく”』だと?・・・一緒に死ぬとでも言うのか?・・・・私は不死なのだぞ?!
何をするというのだ?!・・なぜ、笑える?!」
近づき、にっこり笑って手をさしのべるドラコン。
「私にはわかっていたのです。世界は幸福に導かれるはずです。カル・・いきましょう。」
ドラコンはカル=キュローの額に触れようとする。
カル=キュローは逃げ惑うが、追い詰められて、転ぶ。
「・・・仕方がない。もうアルムの目など要らぬ!!アルムの目などなくとも私は神なのだ!!!」
カル=キュローは叫ぶ。
「死ぬしかなさそうだな!
お前が!」
怯えたカル=キュローはドラコンを銃で射撃する。
ドラコンの体が銃撃で痙攣したように動き、倒れる。
キールズとホルムズが叫ぶ「ドラコン!!!!そんなぁ・・」
ドラコンは血反吐を吐きながら、横たわり、満足げに微笑む。
その様子をカル=キュローは心配そうに見ている。ドラコンはホルムズとキールズを見ながら、
そして全世界の人々の感情を感じながら言う。
「私はいろいろな人と巡りあえました。私がいなくても大丈夫です。世界には、
私の意志を引き継いでくれる人たちが大勢いる。
“私”の苦痛がなくなる日が来るように、。。。
みんな頑張って。。。
みんな・・愛して・・・。」
ゆっくりと目を閉じるドラコン。
「・・最長老アクラ様、、やっとあなたのもとに行けます。
私を許していただけるでしょうか・・・無理ですよね・・・・・・・。
さぁ、カル・・・
私とともに
行きましょう・・・」
ドラコンが息絶える。
ホルムズとキールズが叫び声をあげる。
汗をかいたカル=キュローが高らかに笑う。
「はははは・・・驚かせやがって!!!何も起こらないではないか!!
ただの脅かしだったようだな!!」
ドラコンが縮んで消えていき、アルムの目が浮かび上がる。
カル=キュローが目を見張る。
「これは・・・アルムの目・・か・・?」
アルムの目から煙のようなものが出て、カル=キュローにまとわりつく。
カル=キュローが悲鳴をあげる。
「い・・・いいいったたったった!!・・ひいいい・・ぎゃああああああ!!!!
・・何だ!?これは、
いいいたった。
こいつか!!」
カル=キュローは激痛をアルムの目に流し込むが、その痛みが自分に感じられる。
「なんだ???こいつ、俺に激痛を与えるだと???!!!この神に!俺は神なんだぞ!冒涜者め!」
カル=キュローはさらに激痛を与えるが、それが自分に感じられ、悲鳴を上げる。
さらに煙がカル=キュローにまとわりつくと、カル=キュローはのたうちまわり始める。
キールズが激痛に這い蹲りながら笑う。
「本当に愚か者だ・・自分で自分を苦しめてやがる・・ざまぁ見やがれ・・」
もんどりうちながら、カル=キュローはアルムの目を射撃する。アルムの目に弾丸が当たり、
アルムの目が木っ端微塵に砕け散る。
途端にカル=キュローが悲鳴をあげるが、しばらくして、勝ち誇ったように立ち上がって言う。
「なるほど、痛みを跳ね返す役目を果たしていたのか。そりゃ、ドラコンも平気で居られたはずだ。
確かに、神の与えた玉だ。壊れてしまえば仕方ないがな。」
呆然となったキールズがつぶやく
「うそだろ・・アルムの目が壊れちまった・・」
ホルムズが叫ぶ。「これでおしまいだ・・・!くそう・・・!」
そのとたん、砕けたアルムの目の破片が跳ね上がり、カル=キュローに突き刺さり、
光を発する。カル=キュローが断末魔をあげ、光に覆われていく。・・・・・・・
ホルムズが立ち上がる。「あれ?痛みを感じないぞ?」・・・・
近くの星々で喜びの声が上がっていた。
「やった!ドラコンが勝ったのだ!」
「やりやがったな!ホルムズ!」
カル=キュローの超能力で激痛を与えられ、とらわれの身になっていた人々の激痛が消えたのだ。
洗脳されていた人々がわれに帰り、自分の頭で考えるようになって、喜び、星中が、大騒ぎになっていた。
リリザ=マリアも我に帰っていた。
事態に気付いたマリアは、ワープして、ホルムズの側に飛んできた。
ホルムズと手をとり、喜ぶマリアの耳に、カル=キュローの声が聞こえる。
驚き、振り返るマリア。
「あなた・・・生きていたの・・・?」
身構えるホルムズとキールズとドラム。
やつれたカル=キュローがふらふらと倒れこむ
「いたい・・・いたい・・・俺を殺してくれ・・」。
カル=キュローの額にアルムの目が張り付いている。
カル=キュローは倒れこみ、失神する。
キールズが腹を抱えて笑う。
「ドラコンの野郎・・・やってくれるぜ。こうなることを分かっていやがったんだな。
カル・・本当に可愛そうにな。
・・死にたくても死ねないもんな・・・
こりゃ傑作だよ。」
ドラコンのまとっていた服を見て、キールズは一瞬悲しそうな顔を見せる。
「本当に大馬鹿野郎だ。かっこつけて死にやがって。おいしいところ一人締めしやがってよ。」
そう言いながら、キールズの頬を涙が流れる。
数ヵ月後、カル=キュローは意識を取り戻す。そして、超能力者たちに、
争いを起こさないように指示を出す。
カル=キュローの支配体制が終結したのだ。
激痛に苦しむカル=キュローの病床にリリザ=エルーラが見舞いに来ている。
「父さん。どこにいるのか分かるでしょ。」
カル=キュローの指を刺す方向を確認すると、エルーラは母マリアに別れを告げる。
「じゃ、行ってくる。今度は早く会えると良いけど。」
マリアは微笑む。「大丈夫よ。父さんは私が看病しているから。」
リリザはホルムズやキールズたちと円陣を組む。「それじゃ、行くわよ!」
ホルムズ「エイエイオー!」
キールズ「いつになったら、苦しみがなくなるんだ?えらい宿題をドラコンも出してくれたもんだぜ。」
リリザ「馬鹿たれ!文句言わないの!」
リリザ達がワープする。
リリザ「さあて、どこかしら?」
ホルムズ「居た!」
ホルムズが嬉しそうに怪我をしたウサギを抱きかかえる。
そこに銃撃。
ホルムズが銃弾を全て手づかみにする。
リリザが声を張り上げる。「待って!食料はあるのよ!殺さないで!」
キールズが原住民に分かる文字に変形する。
キールズ「俺の残業手当は?」
リリザ「うさぎとのキスで我慢しなさい!」
リリザ達の旅は続く。
ドラコンの法律シリーズ 終
Woody=BELLのHPへ
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『星達の賛歌』
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月28日
<<独裁者ヒットラーは、敗戦濃厚になってきたとき、裏切り者を恐れるあまり、
精神的に不安定な状況、疑心暗鬼に陥り、ますます独裁的になり、人を信用せず、
不信に思われる部下を次々と殺し始めた。人を信用できないというのはもっとも
哀れなことの一つである。>>
カル=キュローは、人間が超能力者に敵対するのを恐れ、超能力者が人間を支配する
体制を築き上げようとする。信頼できる自分の家族のうち、洗脳能力が強い息子たち
を各地域のリーダーとし、彼らがその地域の軍隊・警察・治安維持部隊を洗脳する。
そして、命令に服従する人造人間や、機械人間を開発し、軍隊・警察・治安維持部隊の高官
に据えた。また、社会がスムーズに動くように、社会に必要な仕事をすることに生きがい
を感じるような人造人間の開発を試みた。しかし、人造人間の開発や人間を洗脳すること、
そして人間を支配することに、彼の愛するリリザ=マリアは激しく反対する。
カル=キュロー「愚かな人間たちは秩序を覆す行動を取りかねない!そんな危険性を排除し、
人間たちにも絶対的な安心を与えるのだ!何がいけないのだ!」
マリア「貴方は、他の人に自分の行動を決められて嬉しいですか?嫌でしょう!
嫌なことをさせられている人間ばかりの社会が長続きするわけがありません!」
カル=キュロー「だから、社会の秩序維持のための仕事を喜びと感じるような人間が必要なんだ!」
マリア「そんな命の冒涜を許せるわけがありません!」
カル=キュローは自分に逆らうマリアを洗脳し、自分に従順に従う僕にしてしまう。
そのような行動に、息子たちは反感を強める。息子たちも信用できなくなったカル=キュロー
は、息子たちも洗脳してしまう。カル=キュロー「どいつもこいつも逆らいやがって!
俺の言うとおりにしていれば、完全な世界ができるのに!全部愚か者だ!」
カル=キュローは自ら「神」を名乗り、洗脳された人間と、命令服従人間、アンドロイドという、
自分に絶対に従うものたちだけで上層部を築いていく。
またカル=キュローを愛するように洗脳された愛人たちと快楽に溺れて行く。
キールズはカル=キュローに皮肉を言う。
「お前は宇宙一哀れだな。カル。お前を慕ってくれるのは、お前が洗脳した奴らだけだ。
つまり、お前が作った脳みそだけしかお前を慕ってくれるものはいない。
お前が洗脳能力を失ったら、誰もお前の味方にならないだろう。
自らの判断でお前を慕うものは誰もいないのだ。ははっははは。」
侮蔑して笑い飛ばすキールズ。
カル=キュローは大いに怒る。
「自分の判断で私に従うものもいるのだ。私に逆らうものは全て抹殺される。
誰も自分の命は惜しい。」
キールズ「恐怖政治か。馬鹿だねぇ。つまり、嫌なことをみんながしぶしぶやっている社会だろ。
そんな社会には反感が募るに決まっているだろ。そんな反感を抑えるために余計、
無駄な労力がかかるだろ。そんな社会が上手く回るわけがない。」
カル「強いものに従うのは自然の摂理だ。」
キールズ「自然が一番すばらしいわけではない。やはりお前はその程度の考えしかできない愚か者だ。」
カル「愚か者が私のことを“愚か”と言うな!」
キールズ「せっかく助言してやっているのに、それも分からないとは、よっぽど“愚か”
なんだろうな。“愚か者”のカルさんは。ミドルネームを“愚か者”に変えた方が良いんじゃないか。
どうですか、カル=“愚か者”=キュローさん?」
セロ=ゴーギュとオズマは、カル=キュローに戦いを挑むが、セロは戦闘不能に陥る。
オズマにカルは言う。「お前だけなら助けてやっても良いぞ。ただし、セロを殺したらな。
もともとセロは、お前の一族を殺した敵だろ。隠さなくても良い。お前の心の中に、
セロへの憎しみがあるのはわかっているぞ。」「お前が、爺ちゃん(セロのこと)
を無理やりに操ったんだろうが!」
オズマは怒り、カルに攻撃を加えようとするが、逆に攻撃されてしまう。
セロにもカルは言う。「セロ。お前でも良いのだぞ。昔のように、俺の下で、
安心できる日々を送らないか?お前も良い戦士だった。俺に逆らいさえしなければ。」
セロはうなづく。
カル「さすが、セロだ。お前は利口だ。それでは、オズマを殺してしまえ。」
セロはオズマに近づく。オズマは信じられないといった面持ちでセロを見つめる。
「嘘だろ。爺ちゃん」
セロはオズマからエネルギーを吸い取り始める。エネルギーを吸い取られ、力を失い、
倒れこむオズマ。
カルはセロに近づく。「よくやった。セロ。」
カルが油断してセロの直ぐ傍まで近づいたそのとき、セロがオズマから吸い取ったパワーを
一丸に集め、カルを攻撃する。オズマはセロを信じ、自分のパワーを技術的に優れたセロに渡し、
最後の攻撃をすることをわかっていたのだ。
「人を恐怖で操れると思ったお前の負けだ!!」
同時にセロとオズマが叫ぶ。吹き飛ばされ、瓦礫の中に埋もれるカル=キュロー。
力を全て放出し、倒れこみ、抱き合う二人。
そこへ、高らかにカルの笑い声が響く。瓦礫がふっとび、中から、マリアのバリアーで
守られたカルが姿を現す。
「俺がお前を信じるとでも思ったのか?セロ?俺が愚か者に頼るとでも思ったのか?
俺を裏切るような奴を俺が信じるとでも思ったのか?俺は神だ。人を操り、絶対的な
秩序を完成させる。愚かな人間どもは、俺に従い、完全な社会に住めば良いのだ。」
リリザはカルに囚われる。そんなリリザを助けるため、無謀な戦いで命を落としていく人々。
そんな彼らを見ながら、リリザは涙を流す。
「もういい。俺のことはもういいから、死なないでくれ。」
カルは笑う。
「愚か者のために涙を流す必要など無い。お前は選ばれた超能力者なのだ。神の娘なのだ。
反社会分子・・愚かな人間がどんどん減って良いではないか。さすが神の娘だ。
反社会分子を探し出す手間が省ける。どんどん反社会分子を呼び出し、
神の聖戦に貢献してくれているのだから。」
そんな折、カインはアンドロイド機械大軍をカシナートの剣でばっさばっさと
壊滅させていく。驚くカル=キュロー。
さらに、ホルムズとキールズとヤシュヌがカル=キュローの浮遊城に侵入し、
カル=キュローとマリアと超能力者の一団に対峙する。
キールズ「やっと会えたな。カル=“愚かもの”=キュロー。あ、そうだ。ついでに
“宇宙一哀れな男”だったっけ?」
退屈そうにあくびをするヤシュヌ「ほる・・こいつか?お前の言っていた。
強い奴ってのは?ぜんぜん強そうでないが・・お前嘘ついたんじゃないだろうな!」
第三の不死人ゴーリヤとの戦いで押されぎみのホルムズとヤシュヌ。
ヤシュヌ「埒があかねぇ。パワーが必要だ。全宇宙からパワーを・・。
キールズ!なんか良い案はねぇのか。」
キールズは仲間の超能力者の力で、他の人間から力をすこしづつ分けてもらうことを提案する。
(鳥山明氏のDRAGONBALLの”元気玉”のパクリです。鳥山明様、済みません。)
星達のホルムズ達を信じる人々から少しずつ力が集まり、ホルムズに集結していく。
しかし、エネルギーの塊は遅すぎて、とてもゴーリヤには当たらない。
ヤシュヌはゴーリヤを押さえつけ、ホルムズにエネルギー弾をゴーリヤに食らわすように命令する。
嫌がるホルムズだが、懸命の叫びに、ホルムズはエネルギー弾をゴーリヤに放つ。
砕け散るゴーリヤとヤシュヌ。ヤシュヌはばらばらに砕け散り、徐々に集まろうとするが、
すごく時間がかかる。そのうちに、信じられないことに、ゴーリヤは既に再生しかけてしまっていた。
カル=キュローがたか笑う。「ゴーリヤは、お前らなんかとは比べ物にならないくらい破壊され、
痛めつけられたのだ。再生の能力はお前らより遥かに優れているのだ。」
そのとき、ドラコンが現れる。ゴーリヤの激しい苦しみを感じ、
彼の今までの人生と記憶を読み取り、ドラコンは怒り狂う。
「カル=キュロー。。。あなただけは許さない。こんな命を生産して良いのか!」
近寄るドラコンはゴーリヤの破片を抱きかかえ、治癒を始める。ドラコンの信じられない行動
に唖然として言葉を失うホルムズとキールズ。再生したゴーリヤは、ドラコンに撫でられ、
子供のようにしがみついている。カル=キュローはゴーリヤに苦痛を与え、
ドラコンを殺すように命じるが、ドラコンはそんなゴーリヤの苦痛を弱める。ゴーリヤは怒り、
カル=キュローに攻撃をしかけようとする。その途端、カル=キュローは、
ゴーリヤに強烈な苦痛を与え、ゴーリヤは失神してしまう。
ゴーリヤを蹴り転がすカル=キュロー。
「全く、役立たずが・・どれだけお前に金をかけたのか、分かっているのか・・」
ドラコンがカル=キュローを睨みつける。
「ゴーリヤは・・・貴方に失神させられることを知っていたのです。それでも、私のために、
立ち向かってくれたのです。貴方は自分のことを神だと言うが、貴方は誰からも愛されていない!
貴方なんかが神なわけがないでしょう!もう、人間の支配などお止めなさい!」
いよいよ残るはカル=キュローただ一人。ぼろぼろになったホルムズとドラコンが近寄る。
ホルムズが怒って叫ぶ。「みんなの痛みを思い知れ!」
攻撃しようとするホルムズをドラコンが制止しようと叫ぶ「おやめなさい!ホルムズ!」
しかし、ホルムズの攻撃は速過ぎて止まらず、ホルムズの攻撃を受けて、カル=キュローの腕が吹き飛ぶ。
勝ち誇るキールズを横目に、ドラコンが首を横に振る。
ホルムズの顔が驚きに変わる。「そんな・・・どうしたら良いんだ・・?」
カル=キュローは笑う。「残念だったな。神がそんな間抜けに見えるのか?ほら、攻撃しないのか?
私をどんどん強くしてくれよ。そのためにお前を泳がせておいたのだから。
お前は私を強くするために、生まれてきたのだぞ。そのために強くなってくれていたんだろ?
さぁ、お前の役目を果たすときが来たのだぞ。ホルムズ号。どんどん攻撃してくれよ。」
カル=キュローの切り離された腕が跳ね上がり、もとどおりにくっつく。
カル=キュローもまた、“不死の薬”を飲んでいたのだ。
「愚か者が神に勝てると思うのか?全て計算済みだったのだよ。お前も私の計画を完成させる
道具だったのだ。愚か者め。」
キールズがつぶやく。「何故だ?!“不死の薬”を飲んだものは、一切の記憶を失うのでは
なかったのか?!!」
カル=キュローが笑う。
「私は神なのだ。お前らとは脳の出来が違うのだ。私こそ選ばれた人間なのだ。」
ドラムが凍結されていた研究者を生き返らせる。研究者は言う。
「なんてことをしてしまったのだ・・カル=キュローに・・」
カル=キュローは、自分の体型・DNAと全く同じ人造人間を作り出し、
不死の薬を飲ませて記憶を失わせると同時に、その脳と神経を、自分の脳と神経と、
そっくりそのまま入れ替えさせたのだ。
無力感にさいなまれるホルムズにもカル=キュローは精神的苦痛を与える。
ホルムズは失神してしまう。
勝ち誇るカル=キュロー。
「私に逆らえるものなど、この宇宙には存在しないのだ。わからないのか、ドラコン。
私は神なのだ。神から選ばれた人間なのだ。神は私を選び、私にこの能力を与えたのだ。
そして、さらに、私は自らの力で永遠の命も手に入れているのだ。
さあ、私にひれ伏すが良い。お前も以前は私に十分に仕えてくれた。私に服従しろ。
そうすれば今までのことは全て水に流してお前を許してやる。
お前も神に選ばれた人間なのだ。私とともに、すばらしい世界を築こうではないか。」
「以前の私ならそうしていたでしょう。しかし、アルムの目を身に付けてわかったのです。
あなたは世界に苦痛しか生まない。世界が悲しんでいます。もうおやめなさい。
あなたは神でも選ばれた人間でもない。悪魔に魂を売って、世界に苦しみをばらまいている
悪魔の手先にすぎないのです。」「お前、少しは利口だと思っていたが、
今の状況が分かっているのか?従うか死ぬかしかないだろ?それとも私に勝てるとでも言うのか?」
ドラコンは微笑む。
「勝てるわけがないでしょう。それに、勝ちたいなどとは思ったことはありません。
・・確かに、ここに来るまで、私は貴方を憎んでいました。殺してやろうと心の底から
思ったこともありました。しかし、ここに来れて、本当に良かった。
貴方がどれだけ悲しい思いをしたのか、貴方がどんな思いでこのような愚行を行っているのか、
それが分かったのですから。貴方がこのようなことをするのも、許せます。貴方が誰も信じずに、
貴方の安心できる世界を作りたいのは分かります。でも、貴方を安心させられるのは、
貴方を愛する人だけです。だから、貴方を愛したいのです。」
カル=キュローは黙って聞いている。ドラコンは続ける。
「そして、もう止めて欲しいのです。苦しみと脅迫は人に裏切りしか生みません。
むしろ、愛せばよいのです。愛して欲しいのです。」
「愛してやるさ。私の僕となって、働くのならな。私は神なのだ。神に従うことに何故ためらう?!」
「人間は、盲目に従っても喜びを得ることはできません。たとえ失敗しようとも自分の頭で判断して、
行動したいのです。ホルムズ達を御覧なさい。彼は貴方が言う愚かな人間かもしれません。
でも、自分に誇りを持って、喜びを勝ち得て生きているのです。
貴方に従っていたセロは幸福でしたか?違うでしょう!」
「私の言うとおりにすれば、成功も名誉も与えてやる。何が気に食わぬ?」
「そのために、どれだけの犠牲を生むつもりですか?」
「優れた人間のために、犠牲は必要なのだ!お前も他の動物を食らって生きているのだろう!」
「犠牲を増やそうと思って生きてはいません。」
「私に従えば、秩序ある世界が実現され、戦争もなくなり、結局は犠牲が少なくなるのだ!
お前は神だとあがめられているのかもしれないが、結局は私に逆らい、戦争を起こし、
多くの犠牲者を生んでいるではないか。お前こそ、悪魔の手先ではないのか?」
「私は犠牲と不満と苦しみの多い今のような平和を望んでいるのではありません。
そういう意味では、確かに私は争いをもたらすために行動してきたのかもしれませんね。
しかし、争いは必要なことなのです。ホルムズやヤシュヌを見て、私はそう思うのです。」
「人の命を軽んじているのは、お前の方ではないのか?」
「私は命を奪うような争いを肯定しているのではありません。命を輝かせるための争いを
肯定しているのです。」
「命を輝かせる??訳がわからぬ!」
キールズが激痛の中で笑う。
「神の癖に、愚かな奴だ。俺でもわかるのによ。」
カル=キュローがキールズへ激痛をより強く与える。キールズが激痛に身をよじる。
カル=キュローはドラコンを睨みつける。
「屁理屈ばかりをこねる女だ。もう良い。時間の無駄だ。お前はもう少し利口だと思ったのだが
・・仕方ない。お前に選ばせてやろう。私に従い、世界を秩序に導くのか、それとも、
私に逆らい、強制的に従わされるのか?」
「待ってください。私の言葉を聞いてください。」
「時間の無駄だと分かったのだ。10秒以内に選べ。さもなくば、処刑する。」
「今のあなたとは肌が合わないようなのです。今のあなたに従うことはできません。」
「なら、従ってもらうまでだ。お前はアルムの目をもっているはずだ。
お前も十分に私の道具になる資格があるのだ。」
ドラコンは微笑みながら、近づく。
「やって御覧なさい。」
カル=キュローがいやらしく笑う。
「馬鹿な女だ」
ドラコンにもカル=キュローは精神的苦痛を与えるが、いくら与えても、
ドラコンはものともせずにカル=キュローに近づいていく。
うろたえるカル=キュロー。
「何故だ?何故?!私の力が通用しないというのか?!」
キールズが笑う。「ドラコンは不感症なんだぜ。おまけにマゾヒストなのさ!!」
カル=キュロー「何?!」
キールズ「冗談だよ。愚か者!」
ドラコン「うろたえなくとも良いのです。感じていますよ。確かにあなたの能力はすごい。
ただ、このような苦しみは、世界のみんなの苦しみからすれば、微塵にも値しません。」
初めてカル=キュローが慌てふためく。
「そんな・・私の計画とは違う。・・神の世界を構築するために、お前が従うことに決まっているのだ。
お前は私に屈せねばならないのだ。」
カル=キュローが全力でドラコンに苦痛を与えるが、ドラコンは平気な顔で微笑みながら、
カル=キュローに近づいていく。
遠く離れた惑星アルテマで、かつてアルム=アクラを守っていた超能力者たちが
この様子をのぞいていた。
「最長老アクラ様は、未来を予知する能力を持っておられた。あのとき、何故、
みすみす殺されたのかわからなかったが、こうなることがわかっておられたのだ。
そして、この後のことも。」
カル=キュローの側まで来たドラコン。
怯えるカル=キュロー。
「何をする気だ!」
ドラコン「あなたは罪を犯しすぎたのです。。。カル=キュロー、さあ、私と行きましょう。」
ドラコンは微笑む。
怯えたカル=キュローは混乱して取り乱す。
「『私と一緒に“いく”』だと?・・・一緒に死ぬとでも言うのか?・・・・私は不死なのだぞ?!
何をするというのだ?!・・なぜ、笑える?!」
近づき、にっこり笑って手をさしのべるドラコン。
「私にはわかっていたのです。世界は幸福に導かれるはずです。カル・・いきましょう。」
ドラコンはカル=キュローの額に触れようとする。
カル=キュローは逃げ惑うが、追い詰められて、転ぶ。
「・・・仕方がない。もうアルムの目など要らぬ!!アルムの目などなくとも私は神なのだ!!!」
カル=キュローは叫ぶ。
「死ぬしかなさそうだな!
お前が!」
怯えたカル=キュローはドラコンを銃で射撃する。
ドラコンの体が銃撃で痙攣したように動き、倒れる。
キールズとホルムズが叫ぶ「ドラコン!!!!そんなぁ・・」
ドラコンは血反吐を吐きながら、横たわり、満足げに微笑む。
その様子をカル=キュローは心配そうに見ている。ドラコンはホルムズとキールズを見ながら、
そして全世界の人々の感情を感じながら言う。
「私はいろいろな人と巡りあえました。私がいなくても大丈夫です。世界には、
私の意志を引き継いでくれる人たちが大勢いる。
“私”の苦痛がなくなる日が来るように、。。。
みんな頑張って。。。
みんな・・愛して・・・。」
ゆっくりと目を閉じるドラコン。
「・・最長老アクラ様、、やっとあなたのもとに行けます。
私を許していただけるでしょうか・・・無理ですよね・・・・・・・。
さぁ、カル・・・
私とともに
行きましょう・・・」
ドラコンが息絶える。
ホルムズとキールズが叫び声をあげる。
汗をかいたカル=キュローが高らかに笑う。
「はははは・・・驚かせやがって!!!何も起こらないではないか!!
ただの脅かしだったようだな!!」
ドラコンが縮んで消えていき、アルムの目が浮かび上がる。
カル=キュローが目を見張る。
「これは・・・アルムの目・・か・・?」
アルムの目から煙のようなものが出て、カル=キュローにまとわりつく。
カル=キュローが悲鳴をあげる。
「い・・・いいいったたったった!!・・ひいいい・・ぎゃああああああ!!!!
・・何だ!?これは、
いいいたった。
こいつか!!」
カル=キュローは激痛をアルムの目に流し込むが、その痛みが自分に感じられる。
「なんだ???こいつ、俺に激痛を与えるだと???!!!この神に!俺は神なんだぞ!冒涜者め!」
カル=キュローはさらに激痛を与えるが、それが自分に感じられ、悲鳴を上げる。
さらに煙がカル=キュローにまとわりつくと、カル=キュローはのたうちまわり始める。
キールズが激痛に這い蹲りながら笑う。
「本当に愚か者だ・・自分で自分を苦しめてやがる・・ざまぁ見やがれ・・」
もんどりうちながら、カル=キュローはアルムの目を射撃する。アルムの目に弾丸が当たり、
アルムの目が木っ端微塵に砕け散る。
途端にカル=キュローが悲鳴をあげるが、しばらくして、勝ち誇ったように立ち上がって言う。
「なるほど、痛みを跳ね返す役目を果たしていたのか。そりゃ、ドラコンも平気で居られたはずだ。
確かに、神の与えた玉だ。壊れてしまえば仕方ないがな。」
呆然となったキールズがつぶやく
「うそだろ・・アルムの目が壊れちまった・・」
ホルムズが叫ぶ。「これでおしまいだ・・・!くそう・・・!」
そのとたん、砕けたアルムの目の破片が跳ね上がり、カル=キュローに突き刺さり、
光を発する。カル=キュローが断末魔をあげ、光に覆われていく。・・・・・・・
ホルムズが立ち上がる。「あれ?痛みを感じないぞ?」・・・・
近くの星々で喜びの声が上がっていた。
「やった!ドラコンが勝ったのだ!」
「やりやがったな!ホルムズ!」
カル=キュローの超能力で激痛を与えられ、とらわれの身になっていた人々の激痛が消えたのだ。
洗脳されていた人々がわれに帰り、自分の頭で考えるようになって、喜び、星中が、大騒ぎになっていた。
リリザ=マリアも我に帰っていた。
事態に気付いたマリアは、ワープして、ホルムズの側に飛んできた。
ホルムズと手をとり、喜ぶマリアの耳に、カル=キュローの声が聞こえる。
驚き、振り返るマリア。
「あなた・・・生きていたの・・・?」
身構えるホルムズとキールズとドラム。
やつれたカル=キュローがふらふらと倒れこむ
「いたい・・・いたい・・・俺を殺してくれ・・」。
カル=キュローの額にアルムの目が張り付いている。
カル=キュローは倒れこみ、失神する。
キールズが腹を抱えて笑う。
「ドラコンの野郎・・・やってくれるぜ。こうなることを分かっていやがったんだな。
カル・・本当に可愛そうにな。
・・死にたくても死ねないもんな・・・
こりゃ傑作だよ。」
ドラコンのまとっていた服を見て、キールズは一瞬悲しそうな顔を見せる。
「本当に大馬鹿野郎だ。かっこつけて死にやがって。おいしいところ一人締めしやがってよ。」
そう言いながら、キールズの頬を涙が流れる。
数ヵ月後、カル=キュローは意識を取り戻す。そして、超能力者たちに、
争いを起こさないように指示を出す。
カル=キュローの支配体制が終結したのだ。
激痛に苦しむカル=キュローの病床にリリザ=エルーラが見舞いに来ている。
「父さん。どこにいるのか分かるでしょ。」
カル=キュローの指を刺す方向を確認すると、エルーラは母マリアに別れを告げる。
「じゃ、行ってくる。今度は早く会えると良いけど。」
マリアは微笑む。「大丈夫よ。父さんは私が看病しているから。」
リリザはホルムズやキールズたちと円陣を組む。「それじゃ、行くわよ!」
ホルムズ「エイエイオー!」
キールズ「いつになったら、苦しみがなくなるんだ?えらい宿題をドラコンも出してくれたもんだぜ。」
リリザ「馬鹿たれ!文句言わないの!」
リリザ達がワープする。
リリザ「さあて、どこかしら?」
ホルムズ「居た!」
ホルムズが嬉しそうに怪我をしたウサギを抱きかかえる。
そこに銃撃。
ホルムズが銃弾を全て手づかみにする。
リリザが声を張り上げる。「待って!食料はあるのよ!殺さないで!」
キールズが原住民に分かる文字に変形する。
キールズ「俺の残業手当は?」
リリザ「うさぎとのキスで我慢しなさい!」
リリザ達の旅は続く。
ドラコンの法律シリーズ 終
Woody=BELLのHPへ
当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。
Copyright 2003-2007 Woody BELL. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
ドラコンの法律:各小説のタイトル
2007年10月14日
『怒良魂(ドラコン)の法律〜人よ愛せよ〜』
各小説のタイトル
書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月19日
『超能力者達の悪夢』『超能力者達の逆襲』:
超能力者達を抹殺する活動の開始から
カル=キュローらによる超能力者の逆襲の開始辺りまで。
『科学の人格』:
カル=キュロー
によるバイオテクニカの創設。
ホルムズ、キールズの誕生と
ホルムズによるバイオテクニカ研究所の破壊まで。
『正義を探す少年』:
バイオテクニカにより作り出されたホルムズと
キールズの正義を求める旅。
ホルムズの正義へのあきらめまで。
『勝てば官軍』:
戦争を起こし、勝てば、大量殺戮者は英雄になる。そんなことへの怒り。
『愚神礼賛』:
宗教団体上層部の愚劣さ、卑怯さに対する怒りを記す。
『悪神の群像』:
宗教抗争。ホルムズの宗教からの乖離まで。
『ドラコンの法律〜人よ愛せよ〜』:
ドラコンの“アルムの目”の装着。
カル=キュローへの反逆抗争の勃発。
『星たちの賛歌』:
カル=キュロー体制の崩壊まで。
『ドラコンの騎士』:
ホルムズ、キールズ、リリザ達による、愛し合う社会実現のための活動の奮闘記。
『ドラコンの過ち』:
ドラコンの法律の矛盾点、
問題点(愛を期待して自衛をしないでいては侵略に勝てないことなど)を記す。
ゼウスによるホルムズ達の銀河系の侵略。
どこに入れるのかも考えていないサブストーリー
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『怒良魂(ドラコン)の法律〜人よ愛せよ〜』
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書き始め2003年12月7日
最終更新日2004年9月19日
超能力者達を抹殺する活動の開始から
カル=キュローらによる超能力者の逆襲の開始辺りまで。
カル=キュロー
によるバイオテクニカの創設。
ホルムズ、キールズの誕生と
ホルムズによるバイオテクニカ研究所の破壊まで。
バイオテクニカにより作り出されたホルムズと
キールズの正義を求める旅。
ホルムズの正義へのあきらめまで。
戦争を起こし、勝てば、大量殺戮者は英雄になる。そんなことへの怒り。
宗教団体上層部の愚劣さ、卑怯さに対する怒りを記す。
宗教抗争。ホルムズの宗教からの乖離まで。
ドラコンの“アルムの目”の装着。
カル=キュローへの反逆抗争の勃発。
カル=キュロー体制の崩壊まで。
ホルムズ、キールズ、リリザ達による、愛し合う社会実現のための活動の奮闘記。
ドラコンの法律の矛盾点、
問題点(愛を期待して自衛をしないでいては侵略に勝てないことなど)を記す。
ゼウスによるホルムズ達の銀河系の侵略。
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Dracon's Law: 『正義を探す少年』
2007年10月14日
『正義を探す少年』
書き始め2003年12月7日
更新日2004年10月4日
最終更新日2007年10月13日
ホルムズは、キールズと各地を流浪する中で、不良達にかつ上げされ、リンチされる少年・少女たちと出会い、不良たちを懲らしめ、少年・少女たちに感謝され、喜ぶ。
また、ヤクザに苦しめられる人々に出会い、ヤクザの一団を壊滅させ、苦しめられていた人々に 感謝され、喜ぶ。
そのような中で、人々から"正義の使者"と讃えられたホルムズは、正義のために生きようと決心する。
ホルムズ「おら、"正義"って良くわかんねぇけど、皆が喜んでくれるのはよく分かる。」
人々が助けてもらったお礼にくれた料理をたらふく食べて満足そうにお腹をさすりながら、にんまりと満面の笑みを浮かべながら、キールズは言う。
「じゃあ、世界中の"正義"ってのを探しに行こうぜ。とりあえず、美味い飯にありつけそうだからよ。」
超能力者を見つけ次第、殺してしまう社会で、超能力者達は自分の能力を隠して生き延びていた。
そんな超能力者を抹殺しようとする集団が現れていた。
超能力者に両親を殺され、超能力者抹殺の使命感を帯びる青年ベイルートと、人間に両親を殺されながらも、人間と共生しようとする超能力少女トリオンが恋に落ちる。
ベイルートが超能力者の攻撃によって致命傷を負ったとき、トリオンは自らの超能力、治癒能力を使い、ベイルートを助ける。
トリオンが超能力者であることを知り、動揺を隠せないベイルート。
ベイルートの所属する部隊の長はトリオンを殺そうとするが、ベイルートはトリオンをかくまおうとし、トリオンとともに部隊の追跡から逃れる。
しかし、遂に部隊に掴まってしまう。
部隊の長は、トリオンがスパイだと嘘をつき、ベイルートは何が正しいのかがわからない状況で悩む。
部隊の長はベイルートを脅す。
「まさか、あの超能力者を助けたいのではないだろうな。もしも、そうだったら、裏切者だ。裏切者は、処刑されなければならない。」
トリオンの公開処刑の場に、「正義」を求めるべく各地を放浪していたホルムズがやってくる。
集まった群集は、口々に「正義の名の元に超能力者を処刑しろ」と叫ぶ。
「正義」の名の元に、処刑されそうになっている少女をホルムズはどのように見たのか。
「何故、憎しみ合うんだ!?こんな良い奴じゃないか!」問い詰めるホルムズに、ベイルートは叫ぶ。
「自分の両親を殺しやがった奴を、許すことなんて・・・お前、できるなら、やってみろよ!」
ホルムズ「トリオンが?トリオンがお前の父さんと母さんを殺したのか?」
ベイルート「違う。でも、超能力者が殺したんだ。超能力者達は信用できない。超能力者達は悪い奴らなんだ。俺たちは正義を守るために悪い超能力者達を根絶しないとダメなんだ!」
「トリオンは、お前を助けたじゃないか。お前の言う、"正義"なんて、正義なんかじゃない!」ホルムズが泣き叫ぶ。
「おら、正義ってなんなのか・・わからなくなっちゃったよ。」途方にくれたホルムズが座り込む。
「”正義”って、相手を苦しめて、殺しても良いのか?正義って、人を殺しても良いのか?なぁ、キールズ。」
キールズが困った顔をして、ホルムズを励ます。
「ここまで言ってもさぁ、殺し合いたい奴らなんだから、殺し合って、全部死んだら良いんじゃないのか。
そうすりゃ、人殺しは居なくなって、良い感じになるんじゃないか。
本当は俺たち"化け物"なんかよりも、ずっと似ているのにな。
みんな同じなのにな。痛かったら泣くし、家族が死んだら悲しむし、そして、お互い、助け合って笑い合ったりできる仲間なのにな。トリオンがみんなの怪我を直そうとしているようにさ。」
ホルムズ「トリオンは良い奴だ。おらは、トリオンを助けたい。」
キールズはにんまりと微笑む。「当然だ。やるぞ。相棒!」
<<正義とは何なのか?教育が正しい正義を教えないとどうなるのか。
個々人あるいはグループや社会が持つ正義とは絶対なのか?否。
憎しみ合う集団の両側から両側の事情を描き、読者に両側への愛着を感じさせたい。>>
ホルムズとキールズが処刑されそうになっていたトリオンを助けようとしたとき、ベイルートがトリオンを助けようとして飛び出し、仲間に射撃されて倒れる。
ホルムズとキールズがトリオンとベイルートを助け出し、逃亡する。
息も絶え絶えのベイルートはうわごとのようにつぶやく。
「トリオン、信じてやれなくてゴメン。
やっと分かったんだ。君が超能力者でもスパイでも良い。
僕は君を愛している。
君には生き続けて欲しい。君が死んだら。生きていても、苦しいだけだ。」
トリオンはベイルートを治癒しようと必死に治癒能力を使うが、ベイルートはトリオンの腕の中で息絶える。
追ってきた、超能力者抹殺部隊をぶちのめすホルムズだが、傷ついて失神している追っ手をトリオンは治癒する。
ホルムズは驚きに目をみはる。
「おめぇ、すげぇな。なんで、助けるんだ?悪い奴なんだぜ。」
トリオンは言う。「神様が、世の中には悪い人間なんていないのだと、教えてくださったんです。」
ホルムズ「かみさま?なんだそいつ?えらい奴なのか?おら、会ってみたいな」
ホルムズは少女の言う、宗教教団に信者として入団させてもらうために旅立つ。
しかし、超能力者抹殺部隊によって、ホルムズが寝ている間に、トリオンが射撃されてしまう。
慌てて飛び起きたホルムズとキールズはトリオンにかけより、息も絶え絶えのトリオンの体を揺さぶる。
「トリオン、自分を治癒すれば良いじゃないか。」ホルムズが必死に話しかけるが
トリオンは首を降る。「自分は治癒できないの。」
ホルムズ「嫌だ。トリオン。死ぬな。みんなでかみさまに会いに行くって約束したじゃないか。」
死ぬ間際のトリオンが言う。
「ホルムズ。わたしはもうダメ。でも、お願い。こんな馬鹿な殺し合いが、そして、殺される人が居ない世の中を作って。誰も殺し会わない、そしてみんな笑って生きられる世の中を・・・。」
キールズは懸命に自分の知識の限りを尽くしてトリオンの介抱をしていた。
「ちくしょう。ダメだ。死んじまう。なんでだよ。なんで。こんな良い奴が。かみさま、居るんなら、出てきてトリオンを助けやがれ、この能なしが!」
ホルムズの腕の中でトリオンの体が突然軽くなり、トリオンの目が閉じる。
ホルムズは泣き叫ぶ。
「どうしてこんなに簡単に死んでしまうんだ。起きてくれ、生きているって言ってくれよ!」ホルムズは涙が枯れるまで泣いた後、叫ぶ。「ちくしょう。トリオンを撃ちやがった奴め!ぶっころす!」
キールズはホルムズを止める。「止めろ、トリオンだって言ってただろ!殺し合いの無い世の中を作ってくれって!」
ホルムズは首を横に降る。「トリオンを殺すなんて、許せるか!許せるわけないだろ!」
キールズはホルムズの頬をぶったたく。「馬鹿やろ!お前、言ってただろ!ベイルートに。何て言った?!お前も、殺されたから許せないのか?そんなら、ずっと殺し合いが続くだけだろ!」
泣くホルムズをキールズは抱きしめる。
「俺だって、憎いさ。でも、トリオンは『憎むな』って、言ってた。トリオンを泣かすわけにはいかない。」
キールズは言う。「トリオンの行ってた、かみさまに会いに行こう。きっと、殺し合いの無い世の中を作る方法を知ってるはずだ。」
『正義を探す少年』
書き始め2003年12月7日
更新日2004年10月4日
最終更新日2007年10月13日
ホルムズは、キールズと各地を流浪する中で、不良達にかつ上げされ、リンチされる少年・少女たちと出会い、不良たちを懲らしめ、少年・少女たちに感謝され、喜ぶ。
また、ヤクザに苦しめられる人々に出会い、ヤクザの一団を壊滅させ、苦しめられていた人々に 感謝され、喜ぶ。
そのような中で、人々から"正義の使者"と讃えられたホルムズは、正義のために生きようと決心する。
ホルムズ「おら、"正義"って良くわかんねぇけど、皆が喜んでくれるのはよく分かる。」
人々が助けてもらったお礼にくれた料理をたらふく食べて満足そうにお腹をさすりながら、にんまりと満面の笑みを浮かべながら、キールズは言う。
「じゃあ、世界中の"正義"ってのを探しに行こうぜ。とりあえず、美味い飯にありつけそうだからよ。」
超能力者を見つけ次第、殺してしまう社会で、超能力者達は自分の能力を隠して生き延びていた。
そんな超能力者を抹殺しようとする集団が現れていた。
超能力者に両親を殺され、超能力者抹殺の使命感を帯びる青年ベイルートと、人間に両親を殺されながらも、人間と共生しようとする超能力少女トリオンが恋に落ちる。
ベイルートが超能力者の攻撃によって致命傷を負ったとき、トリオンは自らの超能力、治癒能力を使い、ベイルートを助ける。
トリオンが超能力者であることを知り、動揺を隠せないベイルート。
ベイルートの所属する部隊の長はトリオンを殺そうとするが、ベイルートはトリオンをかくまおうとし、トリオンとともに部隊の追跡から逃れる。
しかし、遂に部隊に掴まってしまう。
部隊の長は、トリオンがスパイだと嘘をつき、ベイルートは何が正しいのかがわからない状況で悩む。
部隊の長はベイルートを脅す。
「まさか、あの超能力者を助けたいのではないだろうな。もしも、そうだったら、裏切者だ。裏切者は、処刑されなければならない。」
トリオンの公開処刑の場に、「正義」を求めるべく各地を放浪していたホルムズがやってくる。
集まった群集は、口々に「正義の名の元に超能力者を処刑しろ」と叫ぶ。
「正義」の名の元に、処刑されそうになっている少女をホルムズはどのように見たのか。
「何故、憎しみ合うんだ!?こんな良い奴じゃないか!」問い詰めるホルムズに、ベイルートは叫ぶ。
「自分の両親を殺しやがった奴を、許すことなんて・・・お前、できるなら、やってみろよ!」
ホルムズ「トリオンが?トリオンがお前の父さんと母さんを殺したのか?」
ベイルート「違う。でも、超能力者が殺したんだ。超能力者達は信用できない。超能力者達は悪い奴らなんだ。俺たちは正義を守るために悪い超能力者達を根絶しないとダメなんだ!」
「トリオンは、お前を助けたじゃないか。お前の言う、"正義"なんて、正義なんかじゃない!」ホルムズが泣き叫ぶ。
「おら、正義ってなんなのか・・わからなくなっちゃったよ。」途方にくれたホルムズが座り込む。
「”正義”って、相手を苦しめて、殺しても良いのか?正義って、人を殺しても良いのか?なぁ、キールズ。」
キールズが困った顔をして、ホルムズを励ます。
「ここまで言ってもさぁ、殺し合いたい奴らなんだから、殺し合って、全部死んだら良いんじゃないのか。
そうすりゃ、人殺しは居なくなって、良い感じになるんじゃないか。
本当は俺たち"化け物"なんかよりも、ずっと似ているのにな。
みんな同じなのにな。痛かったら泣くし、家族が死んだら悲しむし、そして、お互い、助け合って笑い合ったりできる仲間なのにな。トリオンがみんなの怪我を直そうとしているようにさ。」
ホルムズ「トリオンは良い奴だ。おらは、トリオンを助けたい。」
キールズはにんまりと微笑む。「当然だ。やるぞ。相棒!」
<<正義とは何なのか?教育が正しい正義を教えないとどうなるのか。
個々人あるいはグループや社会が持つ正義とは絶対なのか?否。
憎しみ合う集団の両側から両側の事情を描き、読者に両側への愛着を感じさせたい。>>
ホルムズとキールズが処刑されそうになっていたトリオンを助けようとしたとき、ベイルートがトリオンを助けようとして飛び出し、仲間に射撃されて倒れる。
ホルムズとキールズがトリオンとベイルートを助け出し、逃亡する。
息も絶え絶えのベイルートはうわごとのようにつぶやく。
「トリオン、信じてやれなくてゴメン。
やっと分かったんだ。君が超能力者でもスパイでも良い。
僕は君を愛している。
君には生き続けて欲しい。君が死んだら。生きていても、苦しいだけだ。」
トリオンはベイルートを治癒しようと必死に治癒能力を使うが、ベイルートはトリオンの腕の中で息絶える。
追ってきた、超能力者抹殺部隊をぶちのめすホルムズだが、傷ついて失神している追っ手をトリオンは治癒する。
ホルムズは驚きに目をみはる。
「おめぇ、すげぇな。なんで、助けるんだ?悪い奴なんだぜ。」
トリオンは言う。「神様が、世の中には悪い人間なんていないのだと、教えてくださったんです。」
ホルムズ「かみさま?なんだそいつ?えらい奴なのか?おら、会ってみたいな」
ホルムズは少女の言う、宗教教団に信者として入団させてもらうために旅立つ。
しかし、超能力者抹殺部隊によって、ホルムズが寝ている間に、トリオンが射撃されてしまう。
慌てて飛び起きたホルムズとキールズはトリオンにかけより、息も絶え絶えのトリオンの体を揺さぶる。
「トリオン、自分を治癒すれば良いじゃないか。」ホルムズが必死に話しかけるが
トリオンは首を降る。「自分は治癒できないの。」
ホルムズ「嫌だ。トリオン。死ぬな。みんなでかみさまに会いに行くって約束したじゃないか。」
死ぬ間際のトリオンが言う。
「ホルムズ。わたしはもうダメ。でも、お願い。こんな馬鹿な殺し合いが、そして、殺される人が居ない世の中を作って。誰も殺し会わない、そしてみんな笑って生きられる世の中を・・・。」
キールズは懸命に自分の知識の限りを尽くしてトリオンの介抱をしていた。
「ちくしょう。ダメだ。死んじまう。なんでだよ。なんで。こんな良い奴が。かみさま、居るんなら、出てきてトリオンを助けやがれ、この能なしが!」
ホルムズの腕の中でトリオンの体が突然軽くなり、トリオンの目が閉じる。
ホルムズは泣き叫ぶ。
「どうしてこんなに簡単に死んでしまうんだ。起きてくれ、生きているって言ってくれよ!」ホルムズは涙が枯れるまで泣いた後、叫ぶ。「ちくしょう。トリオンを撃ちやがった奴め!ぶっころす!」
キールズはホルムズを止める。「止めろ、トリオンだって言ってただろ!殺し合いの無い世の中を作ってくれって!」
ホルムズは首を横に降る。「トリオンを殺すなんて、許せるか!許せるわけないだろ!」
キールズはホルムズの頬をぶったたく。「馬鹿やろ!お前、言ってただろ!ベイルートに。何て言った?!お前も、殺されたから許せないのか?そんなら、ずっと殺し合いが続くだけだろ!」
泣くホルムズをキールズは抱きしめる。
「俺だって、憎いさ。でも、トリオンは『憎むな』って、言ってた。トリオンを泣かすわけにはいかない。」
キールズは言う。「トリオンの行ってた、かみさまに会いに行こう。きっと、殺し合いの無い世の中を作る方法を知ってるはずだ。」
神様
2007年10月8日
私の仕事用掲示板の
「ぜんまいざむらい」スレッドに書いていたのですが、仕事に関係無い話なので、こちらに移動します。
2007/07/27(Fri) 09:41
私はどんな宗教も信奉していない。
実家の墓は浄土真宗。結婚式はキリスト教式で挙げた。クリスマスも祝うが、正月には神社や寺にお参りに行く。
釈迦やキリストは偉大な人物だと思っているし、人々を救おうと努力されている修行僧さんやモンクさんは立派だと思っているが、教団化してどの宗教にも弊害が生じていると思っている。
戦争の原因となっているような宗教もある。人を苦しめるような神など、神とは呼べないと思っている。ただし、宗教が必ずしも「見せかけの平和」を追求すべきだとは思ってはいない。批判・反省のないところに進歩は無い。
だが、神様が居るのかとふと思う瞬間もある。
今日の授業のために、カラスの羽が必要だった。先週の土曜日に、道端でカラスの羽が落ちているのに気づいた。今日までに取っておこうと思ったのだが、完全に忘れていた。
昨日、なにか、予感がして、いつもと違う道を歩いた。すると、全く別の場所だったのだが、大きなカラスの羽が道端に落ちていた。カラスの羽が必要だったことを思いだして、慌てて拾った。
神様に感謝。
私の仕事用掲示板の
「ぜんまいざむらい」スレッドに書いていたのですが、仕事に関係無い話なので、こちらに移動します。
2007/07/27(Fri) 09:41
私はどんな宗教も信奉していない。
実家の墓は浄土真宗。結婚式はキリスト教式で挙げた。クリスマスも祝うが、正月には神社や寺にお参りに行く。
釈迦やキリストは偉大な人物だと思っているし、人々を救おうと努力されている修行僧さんやモンクさんは立派だと思っているが、教団化してどの宗教にも弊害が生じていると思っている。
戦争の原因となっているような宗教もある。人を苦しめるような神など、神とは呼べないと思っている。ただし、宗教が必ずしも「見せかけの平和」を追求すべきだとは思ってはいない。批判・反省のないところに進歩は無い。
だが、神様が居るのかとふと思う瞬間もある。
今日の授業のために、カラスの羽が必要だった。先週の土曜日に、道端でカラスの羽が落ちているのに気づいた。今日までに取っておこうと思ったのだが、完全に忘れていた。
昨日、なにか、予感がして、いつもと違う道を歩いた。すると、全く別の場所だったのだが、大きなカラスの羽が道端に落ちていた。カラスの羽が必要だったことを思いだして、慌てて拾った。
神様に感謝。
ぜんまいざむらい
2007年10月8日
私の仕事用掲示板の「ぜんまいざむらい」スレッドに書いていたのですが、仕事に関係無い話なので、こちらに移動します。
2007/04/21(Sat) 10:12
NHK教育テレビの「ぜんまいざむらい」を楽しんで観ている。
悪事を働くものを見ると、決してやっつけるのではなく、だんごを食べさせて朗らかな気持ちにさせ、改心させる。
ズボン(?)には継ぎはぎ。物を修繕して使っている。
歌も良い。
「ぜんぜん、ぜんまい、回る限り、この世をうーんと楽しもう!」
生きていることはすばらしい幸せなことなのだ。前向きに楽しく過ごそう!
「お陽さま沈んでも、お月さまが出てくる。これは贅沢、パラダイス!」
これはすごい。幸せなことを幸せと感じられない人が多い。謙虚に、自分が幸せであることを認識して感謝するべきだ。
「ぜんぜん戦にゃ向いてないけど」
それでも良いのだ。
この製作に関わっている方とお話がしたい。
私の仕事用掲示板の「ぜんまいざむらい」スレッドに書いていたのですが、仕事に関係無い話なので、こちらに移動します。
2007/04/21(Sat) 10:12
NHK教育テレビの「ぜんまいざむらい」を楽しんで観ている。
悪事を働くものを見ると、決してやっつけるのではなく、だんごを食べさせて朗らかな気持ちにさせ、改心させる。
ズボン(?)には継ぎはぎ。物を修繕して使っている。
歌も良い。
「ぜんぜん、ぜんまい、回る限り、この世をうーんと楽しもう!」
生きていることはすばらしい幸せなことなのだ。前向きに楽しく過ごそう!
「お陽さま沈んでも、お月さまが出てくる。これは贅沢、パラダイス!」
これはすごい。幸せなことを幸せと感じられない人が多い。謙虚に、自分が幸せであることを認識して感謝するべきだ。
「ぜんぜん戦にゃ向いてないけど」
それでも良いのだ。
この製作に関わっている方とお話がしたい。
官僚(お役人)体質
2007年10月8日
私の仕事用掲示板の
「役人体質」スレッドにも書いていたのですが、仕事に関係無い話や愚痴が多くなってきたので、仕事に関係の無いものも書き易くするために、こちらに移動します。仕事に関係のある話の場合には、上記のスレッドにも記していきます。
以下に、今まで上記スレッドに記していた分を全て記します。
鈴木
2006/08/08(Tue) 15:37
故橋本龍太郎氏の葬儀について安部官房長官より、文部科学省、大学学長、学部長を通して、通達があった。2時10分に黙祷することに協力してくださいとのお願いであった。連絡を見たときには既に時刻が過ぎていた。誰であろうと、亡くなられたことは残念なことであり、故橋本氏に黙祷した。
「葬儀のため必要な経費の一部は、国費で支弁する。」とのことだが、これには賛成できない。個人のことであるので、国費で葬儀費を支弁する必要は無いと思う。いかがだろうか。
裏金捏造 - 鈴木
2006/11/11(Sat) 12:33
【Yahoo!News】不正経理 労働局は総額78億円 会計検査院報告で判明
福井も。(^^;)全国的にあるようで。
私には、裏金にするような金に関わる機会さえ無い。
単年度決算への愚痴 - 鈴木
2006/12/12(Tue) 16:27
17年度の共同研究で企業からいただいたお金を当初の予定よりも使わなかった(研究室の存在する建物の改修工事で実験があまり行えなかったため)。
そこで、いただいた研究費を使い切らなかったので、無理に使うことも無いと思っていたら、次年度に繰り越せるとの連絡があった。そこで、次年度である本年度に繰り越した。企業からは繰り越しても良いとの了承を得て今年の4月までに申し込んだ。しかし・・・である。
文部科学省の許可を得ないとそのお金は使えないというのだ。今年の4月に問い合わせたら、12月には使えるだろうと返事をもらったのだが、最近問い合わせたところ、昨年度の例では12月24日に文部科学省から使っても良いという許可が下りて、それが大学に連絡されてきたのが1月中旬、大学の中の審議が行われて結局研究室で使えるようになったのが2月1日らしい。
そして、3月31日にはもう使えないので、来年度に繰り越しますかと聞かれ、残すとまた、次の年の2月にならないと使えない・・・らしい。
遅すぎる。繰越したら、次の年の2月まで使えないとは、一体どれだけ多くの手間をかけているのか。作業効率も、速度も、遅すぎる。手間をかけるということはそれだけ人が働いているということであり、その人の労働にもお金が使われている。国民から集めた税金で行われているのだ。何故、こんなに非効率的な、そして無駄なことを行っているのか。「偉い」人が“認めます”と印鑑を押すのに、どれだけ無駄な時間とお金がかかっているのだろうか。
普通の企業なら考えられないことではないだろうか。
迅速な対応をしてくださる方も居る - 鈴木
2006/12/14(Thu) 15:56
上記で、承認を得るのに時間がかかると愚痴を書いたのですが、全く逆に、すごく迅速に対応してくださる方も居る。
昨日、職員証を紛失したので、再発行して欲しいとお願いしたところ、「業者に作り直してもらう必要があるので、すぐには出来ません」と言われた。それなのに、今日の昼には再発行後の職員証をいただけた。誠に有難いです。この場を借りて御礼申し上げます。
また、他にも、購入の注文などで、無理なお願いをしても、すぐに対応してくださる方も居る。非常に有難い。頭が下がる思いです。
警察官も面白い人間 - 鈴木
2007/03/30(Fri) 06:27
やはり男か。
msnニュース:毎日新聞:「わいせつDVD:警官が押収物コピー 上司の依頼? 埼玉」
募集は遅く、締切は早く - 鈴木
2007/05/24(Thu) 10:41
平成19年度「アジア人財資金構想」に係る企画提案の募集の書類が福井大学には4月23日に届いたらしい。当然、我々が書類を見るのはそれよりも後になる。しかし、提出書類の受付締切は5月14日の12時らしい。
企業との連携が必要だし、そんなに簡単に書類を作成できるものでは無い。あらかじめ、このような話を知っているところでないと、しっかりした書類など作成できないだろう。
全体で30億程度のお金が支給される。
募集前から知っているような中央官庁に近い大学なら十分に準備して書類を作成できるだろう。
そういうものなんでしょうね。
自分のミスは帳消し? - 鈴木
2007/06/05(Tue) 11:05
年金を払った記録がなくなってしまったらしい。呆れて何も言えない。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/index.htm
http://topics.kyodo.co.jp/pension/
自分たちのミスでなくしてしまったものなのに、こちらがミスを補うための作業をしなくてはならないらしい。作業を怠った場合には、もらえる年金の額が経るという不利益を被る。被るのは、年金を払った人たちだ。ミスをした人ではない。
2007/6/8
業務上過失”紛失”の犯罪者(冗談です)が、「お偉い」というコネで沢山お稼ぎになったらしい。ま、コネってのは「能力のうち」ですから。
msnニュース:社保庁:長官経験者7人の天下り収入は9億3000万円
特別会計には手はつけられず - 鈴木
2007/06/05(Tue) 11:08
一般会計80兆円。特別会計220兆円らしい。
改正するか議論されているのは一般会計。主要な特別会計には改正の議論もされていないらしい。
自分で自分の給料や扱えるお金を決められる人が、自分の損になるようなことを決定するだろうか。
どうでしょうね。
利権と賄賂 - 鈴木
2007/08/30(Thu) 13:15
どこにでもあるのだろう。
【msnニュース:毎日新聞】
厚労省前局長:社会福祉法人から30年以上金品受領
私は親戚から車なんてもらったことありませんし、知人にそんなことを聞いたこともありません。
昔、中国は”袖の下”が当然の社会だと聞いたことがある。共産党という社会支配者層は、新興の資本家達から賄賂を受け取り、便宜を図る。それで資本家にとっても都合のよい社会になっていく。それはそれで、ひとつの社会構成方法かもしれない。良いとは思えませんけど。
自分に都合の悪いデータを詮索されるのは嫌 - 鈴木
2007/09/01(Sat) 17:57
なのは当然である。
【msnニュース:毎日新聞】
韓国大統領:政府機関の記者室統廃合でメディアと対立激化
政府は「自分にとって都合の良いデータ」を多数公表しているらしいですけど。
まぁ、報道機関にも悪質なところ(やらせ、煽動)がありそうだとは思いますけど。
真実を暴く。
記者って憧れます。
私の仕事用掲示板の
「役人体質」スレッドにも書いていたのですが、仕事に関係無い話や愚痴が多くなってきたので、仕事に関係の無いものも書き易くするために、こちらに移動します。仕事に関係のある話の場合には、上記のスレッドにも記していきます。
以下に、今まで上記スレッドに記していた分を全て記します。
鈴木
2006/08/08(Tue) 15:37
故橋本龍太郎氏の葬儀について安部官房長官より、文部科学省、大学学長、学部長を通して、通達があった。2時10分に黙祷することに協力してくださいとのお願いであった。連絡を見たときには既に時刻が過ぎていた。誰であろうと、亡くなられたことは残念なことであり、故橋本氏に黙祷した。
「葬儀のため必要な経費の一部は、国費で支弁する。」とのことだが、これには賛成できない。個人のことであるので、国費で葬儀費を支弁する必要は無いと思う。いかがだろうか。
裏金捏造 - 鈴木
2006/11/11(Sat) 12:33
【Yahoo!News】不正経理 労働局は総額78億円 会計検査院報告で判明
福井も。(^^;)全国的にあるようで。
私には、裏金にするような金に関わる機会さえ無い。
単年度決算への愚痴 - 鈴木
2006/12/12(Tue) 16:27
17年度の共同研究で企業からいただいたお金を当初の予定よりも使わなかった(研究室の存在する建物の改修工事で実験があまり行えなかったため)。
そこで、いただいた研究費を使い切らなかったので、無理に使うことも無いと思っていたら、次年度に繰り越せるとの連絡があった。そこで、次年度である本年度に繰り越した。企業からは繰り越しても良いとの了承を得て今年の4月までに申し込んだ。しかし・・・である。
文部科学省の許可を得ないとそのお金は使えないというのだ。今年の4月に問い合わせたら、12月には使えるだろうと返事をもらったのだが、最近問い合わせたところ、昨年度の例では12月24日に文部科学省から使っても良いという許可が下りて、それが大学に連絡されてきたのが1月中旬、大学の中の審議が行われて結局研究室で使えるようになったのが2月1日らしい。
そして、3月31日にはもう使えないので、来年度に繰り越しますかと聞かれ、残すとまた、次の年の2月にならないと使えない・・・らしい。
遅すぎる。繰越したら、次の年の2月まで使えないとは、一体どれだけ多くの手間をかけているのか。作業効率も、速度も、遅すぎる。手間をかけるということはそれだけ人が働いているということであり、その人の労働にもお金が使われている。国民から集めた税金で行われているのだ。何故、こんなに非効率的な、そして無駄なことを行っているのか。「偉い」人が“認めます”と印鑑を押すのに、どれだけ無駄な時間とお金がかかっているのだろうか。
普通の企業なら考えられないことではないだろうか。
迅速な対応をしてくださる方も居る - 鈴木
2006/12/14(Thu) 15:56
上記で、承認を得るのに時間がかかると愚痴を書いたのですが、全く逆に、すごく迅速に対応してくださる方も居る。
昨日、職員証を紛失したので、再発行して欲しいとお願いしたところ、「業者に作り直してもらう必要があるので、すぐには出来ません」と言われた。それなのに、今日の昼には再発行後の職員証をいただけた。誠に有難いです。この場を借りて御礼申し上げます。
また、他にも、購入の注文などで、無理なお願いをしても、すぐに対応してくださる方も居る。非常に有難い。頭が下がる思いです。
警察官も面白い人間 - 鈴木
2007/03/30(Fri) 06:27
やはり男か。
msnニュース:毎日新聞:「わいせつDVD:警官が押収物コピー 上司の依頼? 埼玉」
募集は遅く、締切は早く - 鈴木
2007/05/24(Thu) 10:41
平成19年度「アジア人財資金構想」に係る企画提案の募集の書類が福井大学には4月23日に届いたらしい。当然、我々が書類を見るのはそれよりも後になる。しかし、提出書類の受付締切は5月14日の12時らしい。
企業との連携が必要だし、そんなに簡単に書類を作成できるものでは無い。あらかじめ、このような話を知っているところでないと、しっかりした書類など作成できないだろう。
全体で30億程度のお金が支給される。
募集前から知っているような中央官庁に近い大学なら十分に準備して書類を作成できるだろう。
そういうものなんでしょうね。
自分のミスは帳消し? - 鈴木
2007/06/05(Tue) 11:05
年金を払った記録がなくなってしまったらしい。呆れて何も言えない。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/index.htm
http://topics.kyodo.co.jp/pension/
自分たちのミスでなくしてしまったものなのに、こちらがミスを補うための作業をしなくてはならないらしい。作業を怠った場合には、もらえる年金の額が経るという不利益を被る。被るのは、年金を払った人たちだ。ミスをした人ではない。
2007/6/8
業務上過失”紛失”の犯罪者(冗談です)が、「お偉い」というコネで沢山お稼ぎになったらしい。ま、コネってのは「能力のうち」ですから。
msnニュース:社保庁:長官経験者7人の天下り収入は9億3000万円
特別会計には手はつけられず - 鈴木
2007/06/05(Tue) 11:08
一般会計80兆円。特別会計220兆円らしい。
改正するか議論されているのは一般会計。主要な特別会計には改正の議論もされていないらしい。
自分で自分の給料や扱えるお金を決められる人が、自分の損になるようなことを決定するだろうか。
どうでしょうね。
利権と賄賂 - 鈴木
2007/08/30(Thu) 13:15
どこにでもあるのだろう。
【msnニュース:毎日新聞】
厚労省前局長:社会福祉法人から30年以上金品受領
私は親戚から車なんてもらったことありませんし、知人にそんなことを聞いたこともありません。
昔、中国は”袖の下”が当然の社会だと聞いたことがある。共産党という社会支配者層は、新興の資本家達から賄賂を受け取り、便宜を図る。それで資本家にとっても都合のよい社会になっていく。それはそれで、ひとつの社会構成方法かもしれない。良いとは思えませんけど。
自分に都合の悪いデータを詮索されるのは嫌 - 鈴木
2007/09/01(Sat) 17:57
なのは当然である。
【msnニュース:毎日新聞】
韓国大統領:政府機関の記者室統廃合でメディアと対立激化
政府は「自分にとって都合の良いデータ」を多数公表しているらしいですけど。
まぁ、報道機関にも悪質なところ(やらせ、煽動)がありそうだとは思いますけど。
真実を暴く。
記者って憧れます。
Dracon's Law: The Last Words 継がれる意志
2007年10月1日
ラル=オズワルドは緊急救命隊の一員だった。彼の息子イゼは幼いながらもラルと鍛錬して体を鍛えていた。イゼはラルのことを誇らしく思っていた。ラルの元には感謝の手紙が毎日のように届き、ラルは町の英雄であった。新聞記者からどうしてこの仕事を選んだのかと聞かれるとラルは決ってこう答えていた。
「いやぁ親父が俺にいったんですよ。お前は頭が悪いから体を使え。頭が悪くてみんなに迷惑をかけているからみんなの少しでもお役に立てる仕事をしろって。」
実際にはラルは頭脳も明晰であったのだが。
また美人が助けられたお礼に来るとラルは
「連絡先教えて」
などとくどくふりをする。
そんなときラルは横に居る妻ソフィアにこっぴどくつねられて悲鳴をあげるのである。実際にはラルは不倫などは一切せずにいたし、ソフィアもラルの冗談をわかってはいたのであるが。
ある日、数少ないラルの休日にイゼは海底アミューズメントパークに連れて行ってくれとねだった。たまにしかない休日で体を休めようとしていたラルだったが普段なかなか休日が取れず家族サービスができないことを悪く思っていたのでイズと海底アミューズメントパークに向かった。ラルとイズが歩いていると、たまたまラルが以前助けた家族に出会った。心からラルに感謝する家族を見て、イズはラルのことをますます尊敬し、また嬉しく思うのであった。
そんな矢先、けたたましいサイレンの音が鳴り響いた。
事故が起こり、アミューズメントパークの一部に水がが入り込み始めているので至急避難するようにとの指示であった。
ラルはイズに避難するように言い、自分は逃げ遅れた人の救助に行くと言う。イズは自分もラルに付いて行くと言うがラルは認めなかった。イズはラルに見つからないようにラルに付いて行く。
ラルは次々に取り残された人々を助けていく。
ラルに付いて行ったイズはラルの気付かない所に取り残された子供(ボア)が居ることに気付いた。ただしその子の居る場所はラル達からは遠く危険であった。イズは・・・。
ボアとイズが取り残され、ラルは助けにやってきた。ラルが部屋にはいってボアをかついで逃げようとした途端、安全装置が作動して部屋の全てのドアがしまってしまった。
締め切られた部屋にラル、イズ、ボアが取り残されてしまった。しかもその部屋の壁にひびがはいり、水がどんどん部屋に満ちてきている。一刻の有余も無い。ラルは自分の潜水用ヘルメットを脱いでボアにかぶせた。そして部屋に水が満ちた途端、ラルは部屋の耐圧ガラスを叩き割った。
ボアを担いで泳ぎながらラルは思った。
このままでは3人とも死んでしまう。
ラルは担いでいたボアをイズに担がせ、思いっきりの力を込めて、水面めがけて蹴飛ばそうとする。
ラルの様子がおかしいことに気づいたイズは、ラルの手を取って離さないが、イズにラルは何かを言おうとしている。潜水用のヘルメットのガラス越しにラルはイズに伝えようとするが、何を言っているのか、イズには分からない。イズは半狂乱で泣き叫ぶ。「嫌だ。お父さん、一緒に行こう。嫌だ。」ラルはイズの手を振りほどき、イズとボアを思いっきり蹴飛ばした。イズにははっきりと見えた。遠くなるラルの顔が微笑んでいたのを。
ラルの姿は一瞬にして濁った海の水の中に消えてしまい、探しようもなかった。見えたのは、上が明るいことだけだった。イズは泣きながら、必死にボアを担いで上へと泳いだ。気を失いそうになったとき、自分たちまで一筋の光がとおり、イズとボアの体が照らし出された。救急救命隊の潜水艦だった。イズとボアは救急救命隊員に担がれ、何とか一命をとりとめた。
数時間後、ラルの遺体が発見された。ラルの顔はにこやかだった。イズはラルの体につっぷして泣き続けた。
イズは自分を責める。そして救急救命隊を嫌い、そんな職に就くことを拒絶するようになる。
多くの人が集まったラルの葬儀に参列したイズは、ラルのために心から祈っているボアに向けて、
「お前みたいな弱い奴が居たから、お父さんは死んでしまったんだ!お前なんかより、お父さんが助かれば良かったんだ!」
と罵る。ソフィアはイズを平手打ちにする。イズは葬儀の会場から飛びだし、ソフィアから行方をくらましてしまう。
イズは髪の毛を染め、服装を変え、地元から離れた大都会に来ていた。路上での生活を続けていると、暴力団が体格の良いイズに用心棒をしないかと誘ってきた。イズは誘いに乗り、暴力団幹部の用心棒になった。暴力団の高利貸しに借金して返済できない男を恐喝したりもするようになった。イズは口ぐせのように言っていた。「弱い奴が居るから、父さんは死んだんだ。父さんはバカだ。」
イズが借金を取り立てようとした男が、教会に逃げ込んだ。男を追って教会に入ったイズはドラコンと出会った。ドラコンは突然、イズに言った。「お父さんは、あなたにそんなことをしてほしかったのではないですよ。あの海の中で、お父さんはあなたに何と言ったか、それを一緒に探しに行きませんか。」何も知らないはずのドラコンに突然そんなことを言われたイズは、強がりながらも、ドラコンの言葉が気になり、男への借金取り立てを中断して教会から去っていく。
イズはラルの墓石の前に来ていた。ラルに謝り続けるイズ。イズが目を開けると、ドラコンが微笑んで立っていた。
「お父さんの最後の言葉を探してみても良いですか。」
ドラコンは、ラルの墓石の前に手をかざし、ラルの死ぬ間際にイズに言った言葉を拾い始めた。そして、ラルの声色で話し始めた。イズの脳裏には、最後にラルが自分に向けて言っていた表情と口元の動きが鮮明に思い出された。その表情がドラコンの顔と重なった。
イズ、父さんはお前が誇らしい。よく、この子を助けに行ってくれた。
お前なら大丈夫だ。父さんが居なくても、きっとお前なら、父さんの代わりにみんなを救ってくれるはずだ。
イズ、生きぬけ!生きて父さんの分まで人を救ってくれ!
たまらず、イズは顔を手で覆って泣き初め、地面に座り込んで肩を震わせた。「とうさん、とうさん・・・。」
ドラコンは続けた。「お父さんは助けた人たちが元気で活躍し、感謝の挨拶に来てくれている姿を思い出しながら、幸せにつつまれながら、天に召されたのですよ。」
数年後、救急救命隊で活躍するイズとボアに、新聞記者が取材をしていた。「どうしてこの仕事を選んだのですか」と聞かれたイズはこう答えた。
「いやぁ親父が俺に言ったんですよ。お前は頭が悪いから体を使え。頭が悪くてみんなに迷惑をかけているからみんなの少しでもお役に立てる仕事をしろって。」
ラル=オズワルドは緊急救命隊の一員だった。彼の息子イゼは幼いながらもラルと鍛錬して体を鍛えていた。イゼはラルのことを誇らしく思っていた。ラルの元には感謝の手紙が毎日のように届き、ラルは町の英雄であった。新聞記者からどうしてこの仕事を選んだのかと聞かれるとラルは決ってこう答えていた。
「いやぁ親父が俺にいったんですよ。お前は頭が悪いから体を使え。頭が悪くてみんなに迷惑をかけているからみんなの少しでもお役に立てる仕事をしろって。」
実際にはラルは頭脳も明晰であったのだが。
また美人が助けられたお礼に来るとラルは
「連絡先教えて」
などとくどくふりをする。
そんなときラルは横に居る妻ソフィアにこっぴどくつねられて悲鳴をあげるのである。実際にはラルは不倫などは一切せずにいたし、ソフィアもラルの冗談をわかってはいたのであるが。
ある日、数少ないラルの休日にイゼは海底アミューズメントパークに連れて行ってくれとねだった。たまにしかない休日で体を休めようとしていたラルだったが普段なかなか休日が取れず家族サービスができないことを悪く思っていたのでイズと海底アミューズメントパークに向かった。ラルとイズが歩いていると、たまたまラルが以前助けた家族に出会った。心からラルに感謝する家族を見て、イズはラルのことをますます尊敬し、また嬉しく思うのであった。
そんな矢先、けたたましいサイレンの音が鳴り響いた。
事故が起こり、アミューズメントパークの一部に水がが入り込み始めているので至急避難するようにとの指示であった。
ラルはイズに避難するように言い、自分は逃げ遅れた人の救助に行くと言う。イズは自分もラルに付いて行くと言うがラルは認めなかった。イズはラルに見つからないようにラルに付いて行く。
ラルは次々に取り残された人々を助けていく。
ラルに付いて行ったイズはラルの気付かない所に取り残された子供(ボア)が居ることに気付いた。ただしその子の居る場所はラル達からは遠く危険であった。イズは・・・。
ボアとイズが取り残され、ラルは助けにやってきた。ラルが部屋にはいってボアをかついで逃げようとした途端、安全装置が作動して部屋の全てのドアがしまってしまった。
締め切られた部屋にラル、イズ、ボアが取り残されてしまった。しかもその部屋の壁にひびがはいり、水がどんどん部屋に満ちてきている。一刻の有余も無い。ラルは自分の潜水用ヘルメットを脱いでボアにかぶせた。そして部屋に水が満ちた途端、ラルは部屋の耐圧ガラスを叩き割った。
ボアを担いで泳ぎながらラルは思った。
このままでは3人とも死んでしまう。
ラルは担いでいたボアをイズに担がせ、思いっきりの力を込めて、水面めがけて蹴飛ばそうとする。
ラルの様子がおかしいことに気づいたイズは、ラルの手を取って離さないが、イズにラルは何かを言おうとしている。潜水用のヘルメットのガラス越しにラルはイズに伝えようとするが、何を言っているのか、イズには分からない。イズは半狂乱で泣き叫ぶ。「嫌だ。お父さん、一緒に行こう。嫌だ。」ラルはイズの手を振りほどき、イズとボアを思いっきり蹴飛ばした。イズにははっきりと見えた。遠くなるラルの顔が微笑んでいたのを。
ラルの姿は一瞬にして濁った海の水の中に消えてしまい、探しようもなかった。見えたのは、上が明るいことだけだった。イズは泣きながら、必死にボアを担いで上へと泳いだ。気を失いそうになったとき、自分たちまで一筋の光がとおり、イズとボアの体が照らし出された。救急救命隊の潜水艦だった。イズとボアは救急救命隊員に担がれ、何とか一命をとりとめた。
数時間後、ラルの遺体が発見された。ラルの顔はにこやかだった。イズはラルの体につっぷして泣き続けた。
イズは自分を責める。そして救急救命隊を嫌い、そんな職に就くことを拒絶するようになる。
多くの人が集まったラルの葬儀に参列したイズは、ラルのために心から祈っているボアに向けて、
「お前みたいな弱い奴が居たから、お父さんは死んでしまったんだ!お前なんかより、お父さんが助かれば良かったんだ!」
と罵る。ソフィアはイズを平手打ちにする。イズは葬儀の会場から飛びだし、ソフィアから行方をくらましてしまう。
イズは髪の毛を染め、服装を変え、地元から離れた大都会に来ていた。路上での生活を続けていると、暴力団が体格の良いイズに用心棒をしないかと誘ってきた。イズは誘いに乗り、暴力団幹部の用心棒になった。暴力団の高利貸しに借金して返済できない男を恐喝したりもするようになった。イズは口ぐせのように言っていた。「弱い奴が居るから、父さんは死んだんだ。父さんはバカだ。」
イズが借金を取り立てようとした男が、教会に逃げ込んだ。男を追って教会に入ったイズはドラコンと出会った。ドラコンは突然、イズに言った。「お父さんは、あなたにそんなことをしてほしかったのではないですよ。あの海の中で、お父さんはあなたに何と言ったか、それを一緒に探しに行きませんか。」何も知らないはずのドラコンに突然そんなことを言われたイズは、強がりながらも、ドラコンの言葉が気になり、男への借金取り立てを中断して教会から去っていく。
イズはラルの墓石の前に来ていた。ラルに謝り続けるイズ。イズが目を開けると、ドラコンが微笑んで立っていた。
「お父さんの最後の言葉を探してみても良いですか。」
ドラコンは、ラルの墓石の前に手をかざし、ラルの死ぬ間際にイズに言った言葉を拾い始めた。そして、ラルの声色で話し始めた。イズの脳裏には、最後にラルが自分に向けて言っていた表情と口元の動きが鮮明に思い出された。その表情がドラコンの顔と重なった。
イズ、父さんはお前が誇らしい。よく、この子を助けに行ってくれた。
お前なら大丈夫だ。父さんが居なくても、きっとお前なら、父さんの代わりにみんなを救ってくれるはずだ。
イズ、生きぬけ!生きて父さんの分まで人を救ってくれ!
たまらず、イズは顔を手で覆って泣き初め、地面に座り込んで肩を震わせた。「とうさん、とうさん・・・。」
ドラコンは続けた。「お父さんは助けた人たちが元気で活躍し、感謝の挨拶に来てくれている姿を思い出しながら、幸せにつつまれながら、天に召されたのですよ。」
数年後、救急救命隊で活躍するイズとボアに、新聞記者が取材をしていた。「どうしてこの仕事を選んだのですか」と聞かれたイズはこう答えた。
「いやぁ親父が俺に言ったんですよ。お前は頭が悪いから体を使え。頭が悪くてみんなに迷惑をかけているからみんなの少しでもお役に立てる仕事をしろって。」
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