2014年6月1日日曜日

思考する-だまされるな!その2

ティエラオープン模試(2014年5月31日)の小学生5年向けの理科の□4番の(3)の答えがおかしいと思う。

問題は次のようなものだ。

□4 空気や水の性質を調べる実験について、あとの問いに答えなさい。
[実験1] 図1のように、20mLの空気をとじこめた注射器のピストンを押した。

<鈴木が中略>

(3) 注射器の中の空気の体積が15mLになるようにピストンをおした状態で、注射器の向きをいろいろ変えました。次のうち、ピストンをおす手ごたえが最も大きくなるのは、注射器の先をどちらに向けたときですか。1つ選び、記号で答えなさい。
ア 真上  イ 真横  ウ 真下  エ どちらに向けても変わらない。

以上が問題の文章。
図1には 注射器(外側の筒に、先端にゴムらしきものがついたピストンが刺さっていて、先頭のゴムと注射筒に囲まれた部分に空気が入っていて、注射器の先にはゴム管が付いていて、そのゴム管は途中でピンチコックで閉じられている。筒とピストンは水平に描かれている。

能力開発センターの答案には、「エ」が正解とされているが、常識的に考えれば、「ア」が正しい。
常識的に考えるというのは、次の状況を仮定するということだ。すなわち、重力があり、また特に問題文に記されていないので、ピストンには質量があるということだ。
また、「ピストンをおす手ごたえ」というのは、「注射器の筒が固定された状態で、ピストンを静止させるために、ピストンに接触している手からピストンに対して加えられる力の大きさ」という意味だと考えるべきだろう。

問題作成者の意図は分かる。空気を押し縮めると圧力が上がること、その圧力の大きさは、向きによらず一定であることを問いたいのだろう。
「ピストンの質量は無視してよい」とか、「重力の影響は無視する」とかの但し書きを付けるべきだったのである。

ちなみに、常識的に考えると、水平状態で20mLの空気が入っている場合のその空気の圧力と、注射器の外側の空気の圧力は同じだろう。
注射器のピストンを外側の空気が押す力も考慮すべきであることは言うまでも無い。

0 件のコメント: