今回は息子が見つけてくれたものをご紹介。
『小学生/中学生・知の祭典 算数オリンピック問題集(2013年度版)』の476ページに、
11年度の「ジュニア算数オリンピックトライアル問題」の「問題7」がある。
それは次のようなものだ。
「あるロボット工場では,A型とB型の2種類のロボットが作られています。A型ロボットは大小を1<2<3<4<5と認識します。一方で,B型ロボットは大小を1>2>3>4>5と認識しています。いま,5体のロボット,マーク,ケン,ジョン,サムス,タロウがいます。それぞれのロボットはA型かB型のどちらかで,1~5の番号がついています。
マーク:ワタシはもっとも大きい数字がついたロボットです。
ケン:ボクより大きい数字のついたA型ロボットと小さい数字のついたA型ロボットがいます。
ジョン:ボクにはもっとも小さい数字がついています。
サムス:ワタシより大きい数字のついたA型ロボットはいません。
タロウ:ボクの次に大きいロボットはA型ロボットです。
それぞれのロボットの種類とついている数字を求めなさい。」
息子は上の問題を解こうとして、彼らの言葉を全て満たすことができないと言って、困っていた。
息子は次のように考えていた。
5体のロボットのそれぞれの数字は全て異なる。(同じ数字のついたロボットは居ない。)
マークとジョンの言葉から、マークがA5でジョンがA1なのか、もしくはマークがB1でジョンがB5であるかのどちらかである。
さらにサムスの言葉から、マークがB1でジョンがB5であることが確定する。
さらにケンの言葉から、サムスとタロウはA型ロボットであり、ケンの数字が3であることが分かる。サムスの言葉を思い起こせば、サムスがA4、タロウがA2であることが分かる。
ここまで、つまり、タロウの言葉を無視すれば、矛盾が無い。
しかし、 タロウの言葉を、「ボクについている数字より次に大きい数字のついたロボットはA型ロボットです」と解釈し、「次に大きい数字」というのが、一つだけ小さい数字という意味ならば、数字の1がついたロボット、すなわちマークはA型ロボットでなければならず、マークがB型ロボットであることと矛盾する。
以上のように私も考えた。
そこで、この矛盾をなくすために、私は、
タロウの「ボクの次に大きい」というのは体格が大きいという意味である
とか
タロウは嘘つきである(もしくは故障している)
とか
そもそも、同じ数字のついたロボットが居る
とか考えたのだが、そのようにすると、答えが一つに定まらない。
これは答えが一つに定まらないということで、本に書いてある答えを家内に読んでもらったら、答えには
「正答率100%
問題に不備がありました.
『タロウ:ボクの次に大きいロボットはA型ロボットです.』の部分が,正しくは『タロウ:ボクの次に小さいロボットはA型ロボットです.』の間違いでした。
「大きい」のままでは解答が出ない問題となってしまうため,この問題については全員に得点を与えることとしました.」
と書かれていた。
問題がおかしいことに気づいた息子を褒めてやった。
正しく思考すれば、騙されない。
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